バスにのらないひとたち

ジャンマーク(著者), 三辺律子(訳者)

• 販売会社／発売会社: パロル舎
• 発売年月日: 1998/12/22
• JAN: 9784894192041

商品レビュー

2019/04/26

どの短編も幽霊にまつわる話で、ちょっと寒気を感じるぐらいの怖さ。
小学生の時に読んだきりで内容も覚えてないと思ってたけど、どの話も読み出したらどんどんストーリーがよみがえってきたからびっくりした。

ーかざられない写真
これがいちばん印象に残っていた。昔の集合写真の撮り方を知ったのはたぶんこの話からだ。怖いというより切ない。

ー古い硬貨
ペンスとかペニーとかわかんねー！と思いながら読んでた。これ読んだら、手元にきたお金はすぐ使おう……って思うようになる。

ーバスにのらないひとたち
読み終わって“バスにのれない”じゃなくて“バスにのらない”ひとたちなのか〜と思ってゾッとした。明確な悪意があるわけじゃなくてただその場の空気が悪くなる…っていうのリアルでこわいな…。

ーお誕生日の女の子
切ない。

ー「ボク、カワイイ？」
怖い！これがいちばん怖い。いったい何があったんだよ…と思うとめちゃくちゃ怖くない？インコが無事でよかった。

以下好きなところ抜粋
〈レイチェルは、鳥たちが巣箱の中でねているのをこっそりのぞくのが好きだった。鳥たちが頭をまうしろにむけ、くちばしをうしろの羽にうずめているのを見ると、レイチェルは、前歯のところがもそもそするようなかんじがした。こねこやウサギのあかちゃんを見たときと同じかんじだった。〉

ー発生
なんとなくジブリっぽい。付喪神ではないけど、ものに魂が宿るという概念がイギリスにもあるんだね。

ーウェルカム、ユール！
タイトルめちゃくちゃ明るい感じなのに作中はずっと暗くて寒そう。キャロルがなんなのか、キリスト教がどうとか、ちょっとイギリスの宗教史を知らないとピンとこない話。

ー通信
これも怖いな〜〜。トンネルという場所はなぜこんなにホラーに適した場所なのか？

2008/04/26

「かざられない写真」の、行間からにじみ出てくるような、マージェリーのジェニーに対する友情。世にも奇妙な物語のような、不思議がつまった短編集。