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都市と柱 アメリカ文学ライブラリー
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都市と柱 アメリカ文学ライブラリー

ゴアヴィダル(著者), 本合陽(訳者)

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都市と柱 アメリカ文学ライブラリー

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 本の友社
発売年月日 1998/05/25
JAN 9784894391338

都市と柱

¥3,520

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2026/04/30
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都市と柱は、1940年代に同性愛を正面から描いた先駆的な作品。物語の核は「過去へ執着」とその「理想化」。 主人公ジムは、魅力的で社交的に見えながらも、内面では高校時代のボブとの関係に強く縛られている。彼にとってある夏の山小屋での出来事は単なる思い出ではなく、自分の一部、あるいは“理想化された完全な関係”として固定されたもの。そのため彼は、その後どれだけ人と関わっても本当の意味で心を開くことができず、外界と接続できず、すべてが代替にとどまってしまう。 一方でボブは、船乗りとして世界を放浪するも、結婚し家庭を持ち、社会の中で時間を生きている。つまり同じ経験を共有していながらも、ジムにとっては「人生の核」であり、ボブにとっては「若気の至り」でしかない。 この非対称性が、再会の場面で決定的な断絶として現れる。 ジムは変わらないものとしてボブを求めるが、ボブは変化した現実の中で、それを「あんなこともあった」と振り返る位置にいる。そのズレが、最終的に暴力という形で噴出してしまう。 ここで重要なのは、ジムの感情の「純度」と「危うさ」が同時に存在している点。 彼の一途さや変わらなさはある種の美しさを帯びているが、それは同時に現実や他者を受け入れられない歪みでもあり、結果として他者を傷つける力へと転じる。 さらにジムは、自身の欲望を完全には引き受けきれず、社会的にそれが露見することを恐れて逃げる場面もある。この「欲望には正直だが、それを生きる勇気はない」というねじれが、理想をより強固にし、現実との乖離を深めていく。 タイトルの「都市と柱」も象徴的。旧約聖書のソドムとゴモラに由来しているという。欲望とその裁きというニュアンスを持ちながら、物語の中では「流動」と「固定」の対比として読むことができる。 その非対称は登場人物にも反映していて、ジムは都市的(流動的)で、ボブは柱的(固定的)、あるいはその逆で、ジムは外面的には移動し続けながら、内面は過去に固定されており、ボブは外面的には家庭に収まっていながら、時間の中で変化を受け入れている。のかもしれない。 この構造によって、物語は単なる恋愛の悲劇ではなく、 「理想に固着すること」と「現実を生きること」の断絶を描き出している。 読後に残る「気持ち悪さ」と「美しさ」は、この矛盾から生まれる。 純粋であることがそのまま暴力性につながる危うさ、そして本人にとっては最後まで本気であったという事実が、読者に強い余韻を残す。 あとがきによれば、本作は複数回の改訂を経ており、初期バージョンではジムはボブを殺す結末が描かれていた。実際、取っ組み合いの場面では、ジムが一瞬ボブを「殺したい」と思う描写もある。 しかし新改訂版では、その衝動は現実の殺害には至らないかたちで描かれている。私はこの改訂後の結末のほうが、ジムの内面にある歪みや執着を、より生々しく、かつ曖昧さを残したまま浮かび上がらせているように感じた。

Posted by ブクログ

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