商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 彰国社 |
発売年月日 | 1998/03/30 |
JAN | 9784395005642 |
- 書籍
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集落の教え100
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集落の教え100
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商品レビュー
4.5
10件のお客様レビュー
【建築学科】ベストリーダー2024 第7位 東京大学にある本はこちら https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=2003503795
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100の集落から建築空間においての教えを100個記した本。見開きで世界の集落の写真とその集落に対する解釈が記されている。しかしその解釈が集落の全てを語っている訳ではなく、一部抽出した部分のみを語っている。つまり深掘りした解釈では無いのだ。だから集落固有の特徴を述べているわけではなく、普遍的な特徴を述べている。普遍的な特徴を述べることにより、それは建築を作る者に対して「建築空間とは何か」を考えさせるのである。 普遍的な情報で、しかもそれは集落から抽出された情報。しかしその情報が今の建築空間にも共通する。 集落という感覚的に遠いテーマから現代の建築に共通事項を見つけることができて、本当に面白い本だった。まだ完全には理解しきれていない為再読が必要だと思った。 特に以下の3つが特に印象に残った。 [12]集落が好むのは、不動たるものではない。絶えざる変化であり、展開である。 [20]祭りが集落の様相を変えるように、いろいろな出来事が集落や建築を変える。場面を待つように、それらを作らねばならない。 [91]装飾は、あってもよいし、なくてもよい。少なくてもよいし、多くてもよい。しかし集落や建築自体が、風景のうえからすると、自然に対する装飾である。
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原広司による、空間デザインに関する100の「教え」と呼ばれる表題およびキーフレーズ、および各フレーズ・用語・集落に関する定義付け・論考・補注を収録した本。「教え」の一つ一つは、原広司が7-80年代において研究室で行ってきた集落調査、および調査された集落の分析・モデル構築の過程にお...
原広司による、空間デザインに関する100の「教え」と呼ばれる表題およびキーフレーズ、および各フレーズ・用語・集落に関する定義付け・論考・補注を収録した本。「教え」の一つ一つは、原広司が7-80年代において研究室で行ってきた集落調査、および調査された集落の分析・モデル構築の過程において受けたものとされており、多くの集落における100の写真とともに紹介されている。 「教え」の表題およびキーフレーズがあらわしている事象は多岐にわたっているが、前半のものは集落全体から得られるマクロな視点、後半はディテールに注目したミクロな視点といったように大まかな分類がなされている。しかし、決して階層的なものとして集落を考察しているわけではなく、スケールを排除して享受できるような「教え」となっている。 原広司は集落を人間の構想力の記録であると解釈しており、この本において言及されているのはあくまで集落の局所的な場所性に呼応し発現した人間の建築的な構想力であるとしている。「教え」について、それぞれのものは集落から着想を得てはいるが、これら「教え」・論考から集落に存在する歴史的および地域的な意味付け、また狭義の風土論が極力排除されていることがそれを示している。 それに伴って、「教え」と論考、それに付随し掲載されている集落の写真の間の関係はあくまで互いに手がかりである程度のものとなっており、集落の紹介を行っている本では決してなくなっている。 また、調査方法について、ケヴィン・リンチが行ってきたイメージマップによる人々の意識下にある景観・イメージによる都市の解析とくらべて、場所性と呼応して発現している人間の無意識下における構想力に着目しているぶん、より空間そのものへ言及する要素が強いとも考えられる。 これらを総合して考えれば、本の中で原広司が語っている「建築を作ることは集落の解釈という性格を持つことを避けられず、そのため私たち建築を集落のようにつくる姿勢ではなく、集落の教えを受けて立つ態度が要請されている」という主張も納得がいくものとなっている。この本は、集落から場所性およびそれを解釈した人間の構想力を学び取り、そして一般的に用いることができるようにそれを体系化・理論化し、新たな解釈行為につなげていくための記録、すなわち新たな解釈行為への「教え」なのである。このように一般性があり、またあらたな解釈手法の誕生といった新規性の発生の可能性を含んでいる点で、建築理論の展開において重要な役割を担うであろう本であると言える。
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