商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋/ |
発売年月日 | 1998/04/10 |
JAN | 9784163175706 |
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兄弟
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商品レビュー
4
9件のお客様レビュー
『血の歌』を読んでから、これを読む。 禮三の二人目の妻の百合子(石田ゆり)は、姪の美以子(森田童子)と、同い年であることがわかる(美以子は翌年の早生まれ)。実際は石田が1歳上かも。 やはり作詞家というのは、若い女性、少女性をもった女性の感性を身近に置いておくことが成功の必須条件な...
『血の歌』を読んでから、これを読む。 禮三の二人目の妻の百合子(石田ゆり)は、姪の美以子(森田童子)と、同い年であることがわかる(美以子は翌年の早生まれ)。実際は石田が1歳上かも。 やはり作詞家というのは、若い女性、少女性をもった女性の感性を身近に置いておくことが成功の必須条件なのかも。 婚約発表の1970年は、美以子は高校3年かまたは卒業して家を出て男と同棲を始めたらしく、百合子の宝塚音楽学校は2年間で卒業なので、前年(1969)からデビューの準備を始めていたことになる。
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2020年に83歳で亡くなったなかにし礼氏の自伝的小説で直木賞受賞作。昨年末に同氏の遺稿小説『血の歌』でが出版され、森田童子の父親が氏の兄ということで、興味を持った。小説では、特攻隊帰りを称して破滅的行動を繰り返す14歳上の兄とのエピソードを描く。次から次へと繰り返す事業の失敗やギャンブル、女遊び。そのたびに金をたかられる著者。特にニシン網の網元になって、担保の家をとられる話とか、当事者は悲惨なんだけど笑ってしまう。その後、東京まで行くのに日本海の荒海を貨物船で行って、船酔いしまくる話とか。結局兄が亡くなるまで16年絶縁したとのことだが、最大の謎はなぜもっと早く絶縁しなかったのかということ。作中では、①脳梗塞を患う母親をダシに兄の言うことを聞かざるを得なかった②戦争で父親を失い、年の離れた兄が父親代わりだった、という理由が暗示されているが、それにしても、もっと早く絶縁しようよと言うのが大方の感想であろう。
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イワユル「事実に基づく創作小説」に属するものだと思うが、その「事実」の想像を超えた凄まじさ、異様さに驚きを禁じ得ず、一気に読み進む。14歳上の兄の常軌を逸した破天荒な言行や愚行の数々。それに死ぬほど苦しめられながらも、兄との血縁を最後の最後まで切れなかった弟。そしてそれを遂に断ち...
イワユル「事実に基づく創作小説」に属するものだと思うが、その「事実」の想像を超えた凄まじさ、異様さに驚きを禁じ得ず、一気に読み進む。14歳上の兄の常軌を逸した破天荒な言行や愚行の数々。それに死ぬほど苦しめられながらも、兄との血縁を最後の最後まで切れなかった弟。そしてそれを遂に断ち切った16年後の兄の死に際し、安堵と後悔の相克に苛まれる弟。なんとも壮絶な戦中戦後の兄弟史。
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