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ら・ら・ら「奥の細道」
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ら・ら・ら「奥の細道」

黛まどか(著者)

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ら・ら・ら「奥の細道」

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社/
発売年月日 1998/03/05
JAN 9784334971687

ら・ら・ら「奥の細道」

¥1,760

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2020/10/20

芭蕉の奥の細道は、東北への旅だと思っていた。それで、この本を読もうとおもったのだが、いい意味で勘違いが面白く読めた。ブラジルの作家パウロ・コエーリョから「旅をしなさい。新しいことを怖れていけないよ。旅はきっと君を変革してくれる。日本には、バショウがいるじゃないか」と言って励ましを...

芭蕉の奥の細道は、東北への旅だと思っていた。それで、この本を読もうとおもったのだが、いい意味で勘違いが面白く読めた。ブラジルの作家パウロ・コエーリョから「旅をしなさい。新しいことを怖れていけないよ。旅はきっと君を変革してくれる。日本には、バショウがいるじゃないか」と言って励ましを受ける。つまり、旅は自分の中に変化を起こさせるというのだ。持ち物を減らし、自分を単純化し、信じる力をえる。 奥の細道は、1689年3月27日から9月5日までの紀行文と俳句を詠んだ。歩いた距離は、六百里(2400キロ)。約150日間にわたる。芭蕉45歳。その頃の平均寿命に近いので、まさに老人に近い。尊敬していた西行の500年忌で、西行の観て詠んだ地と月を見たいとおもってさすらう西行の跡を追う。 それを300余年経って俳人の黛まどかが西行の跡と芭蕉の跡をたどる。企画がいいね。そして、芭蕉の真筆の奥の細道が発見されることで、大阪にも行く。大阪は、芭蕉の没した地でもある。この旅は、俳句でできた芭蕉のネットワークが最大限に活かされる。江戸時代にこれだけの人脈を作っている芭蕉もすごい。 10話にまとめられて、最初は芭蕉の生誕の地 伊賀上野に行く。柘植の「芭蕉翁誕生宅阯」にたどり着く。そして、芭蕉の遺髪が納められている愛染院の故郷塚に「家はみな杖にしら髪の墓参」と書かれている。遺骨は、近江の義仲寺に葬られているという。それほど、芭蕉は義仲が好きだった。 2話は、仙台から始まる。北野加右衛門の案内を受けて、薬師堂や榴岡天満宮などをみてまわる。「あやめ草足に結ばん草鞋の緒」と芭蕉は詠んだ。芭蕉はたくさんの出会いの中で俳句が生まれた。芭蕉は、古きもの、新しきもの、変わらぬものを詠み続ける。しかし、150日あまりの旅路で50句ほどなので、ゆったりと確実に詠んでいる。真筆では、5年かけて74箇所の訂正があったというから、その推敲の執念もすごいものがある。そこから、松島に行くのであるが、「松島や ああ松島や 松島や」は、芭蕉の句ではないとのこと。中尊寺金色堂で「五月雨の降り残してや光堂」と詠む。山形県の立石寺では「閑さや岩にしみ入蝉の声」と最上川では「五月雨を あつめて早し 最上川」 いやはや。奥の細道が、現場で解説されて実に理解がしやすい。黛まどかの軽妙さもステキである。 あれ。こうやって、説明していると、本を読めばいいと思う。 尾花沢、近江路、山中温泉、市振、日光、月山、湯殿山、鶴岡、新潟、出雲崎、敦賀と巡って行く。 月、恋、花を構成して詠む。 それにしても「荒海や佐渡によこたふ天河」のスケールの大きさと尾花沢での「行末は誰が肌ふれむ紅の花」と越後路市振の「一家に遊女もねたり萩と月」という艶っぽい句も詠んでいる。芭蕉の寿貞への恋というのが、なんとも言えず良いなぁ。 芭蕉をキムタクにたとえ、キムタクに憧れるようだと芭蕉のことを言う。また、父親も俳人で一緒に旅をすると言うことも、何か現代風の装いがなんとも言えず、今の女子感がある。

Posted by ブクログ

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