商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 勁草書房 |
発売年月日 | 1997/01/25 |
JAN | 9784326101139 |
- 書籍
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書物としての新約聖書
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書物としての新約聖書
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
本当に「三校」しているの?
この本や新約聖書も読んでから、氏のホームページで質問をしたら、メールが送信されてきた。短い文章なのに、読み飛ばした上で丁寧な御返事が来るのに時間がかからなかったから速読の名手なのだろう。 氏によると昭和27年に刊行されたキリスト新聞社版の「新約聖書・口語訳」は武藤富男が中心...
この本や新約聖書も読んでから、氏のホームページで質問をしたら、メールが送信されてきた。短い文章なのに、読み飛ばした上で丁寧な御返事が来るのに時間がかからなかったから速読の名手なのだろう。 氏によると昭和27年に刊行されたキリスト新聞社版の「新約聖書・口語訳」は武藤富男が中心となったそうだが、実際には賀川豊彦。いくら武藤富男がキリスト新聞社の社長になったとはいえ、1ページしかないあとがきを誤読しているのだ。これでよくもまあメッツガーの悪口を書けたものだ。 他にもベルギー人のエミール・ラゲ神父を「フランス人」だとか、新改訳聖書を持っているなら、あとがきを引用したついでに奥付を見れば実際の第1版の刊行年度が昭和45年と印刷されているのに、海老澤有道の「日本の聖書」を信用したのか?、「1973年」だとか書いている。新改訳聖書はNASBの版元のロックマン財団がスポンサーだが、版権をめぐって日本聖書刊行会・いのちのことば社はロックマン財団と裁判闘争した事があるにも関わらず、国際聖書協会の「英訳のNIVにほぼ対応する」と書いたものだから、福音派嫌いの面々が食わず嫌いで受け売りすらしている。 本筋は間違いがないかもしれないが、いろいろと他の本を読んでいくと細部にポンポン埃が出て来る本なので、勉強にはなったが、金8,000円+税は高過ぎる。マルキオンなど日本語で読める本がないと思うので、おかしな記述があるように思えてくる。著者は「概要」を出す前に、この本の改訂版を出すべきだ。何しろ、これだけローマ帝国の「古代資本主義」についてあれこれ書いているのに、新約聖書の翻訳のフィリピ書で既存の翻訳のように「国籍」と訳した上で一言も注釈をつけていない。ユリウス・クラウディウス朝期の地球上に「国籍」なる概念が存在していたのか?
どこかの誰か
とにかく複雑な感情を持っている本だ。お値段は張るが、意外と類書のない「書物としての新約聖書」を紹介した入門書だ。 改版するなら刊行当時に「話題になっていた」?「死海文書の謎」やシーリングの「イエスのミステリー」など知らない人もいるだろうから削除していいだろうか。 この本では...
とにかく複雑な感情を持っている本だ。お値段は張るが、意外と類書のない「書物としての新約聖書」を紹介した入門書だ。 改版するなら刊行当時に「話題になっていた」?「死海文書の謎」やシーリングの「イエスのミステリー」など知らない人もいるだろうから削除していいだろうか。 この本ではRSVが"Epistle"ではなく”Letter"と訳したのを評価しているのに例の新約聖書のドデカい分冊本では「書物としての新約聖書」で書いた評価には一切言及しないで他人事のように正反対な事を書いている。この本では「聖書の世界」と「聖書外典偽典」で「二重出版」した人がいると批判しているけれど、さてどうだが。この本の原稿を書いた時には「聖書の世界」の「新約聖書外典」と「教会教父文書」が講談社文芸文庫で再版するとは知らなかったらしい。他人の事をあれこれ批判するなら自分が書いた事も整合性を持たせて書くべきだ。何しろ「たかがヘンデルでさえ」とバカにしている「例のオラトリオ「メサイア」」のテキストの翻訳を依頼されたら請け負っているのだ。 「聖書の世界」と「聖書外典偽典」を紹介していない「門脇文庫 日本語聖書翻訳史」で自分が書いたマルコ伝の注解書が紹介されていないと「下劣な党派心」だと批判している。この本を使っていたら新共同訳が「旧約聖書続編」を使ったのは昭和9年に日本聖公会が刊行した「舊約聖書続篇」があるのを受け継いだ為であり、これは新共同訳の「聖書について」に「すでに戦前に使用されていた「続編」の用語を採用することにした」と書かれている事を指すと分かるのだが。日本語訳聖書については「門脇文庫 日本語聖書翻訳史」と海老澤有道の「日本の聖書」を参照すれば、もっとマシな内容になった可能性はある。例えばベルギー人のエミール・ラゲ神父を「フランス人」と書いている個所は彼がパリ外国宣教会から派遣されているので勘違いしたのか? ただし新改訳第2版を持っているらしくあとがきを引用しているのに頁をめくって奥付を見る手間をしないので海老澤有道が第1版の刊行年度は昭和45年なのに誤記した「1973年」を鵜呑みにしている。また新改訳聖書を「英訳のNIVにほぼ対応する」とあるのは「ほぼ」正しいとしても、新改訳聖書のスポンサーはNASBを刊行したロックマン財団であり、日本側と版権を巡って裁判闘争をしたぐらいなので、NASBにも触れた方がよかったのではないか。 反権威主義の割にはオックスブリッジ崇拝はあるらしく、"The Catholic Study Bible"はオックスフォード大学出版局が出した書名であり、"New American Bible"は"NAB"をロゴに使っている。当のオックスフォード大学出版局が出した"The Precise Parallel New Testament"の背表紙には使われている8種の新約聖書の中に"New American Bible"は"NAB"とある。そんなにオックスフォード大学出版局が好きなら「ファンダメンタル」御用達のスコフィールド注釈付き聖書の版元なので紹介したらどうなのか?と言いたくなる。 これはメッツガーの「新約聖書の本文研究」の方が辛辣だが、エラスムスが校訂したギリシャ語新約聖書について「世情に通じたエラスムス」ではなく版元のフローベンが準備期間を置かずに刊行していた。この本にあるようにエラスムスは「コンマ・ヨハンネウム」を認識した程度には写本の校合をしていたとしても、どういう写本が古くて良質なのかは彼が生きていた時代には分かるわけがないだろう?言ってみればエラスムスに1年足らずの日数でほとんど一からネストレ26版並みの校訂をしろ、と要求するようなものだ。第一、エラスムスはギリシャ語は取得してもヘブライ語とアラム語は取得出来なかったというし、メッツガーと違ってコプト語やゲエズ語を取得したとは聞かないのでラテン語以外の古代訳の研究には限界があるだろう。田川建三がエラスムスを酷評するのは彼がこの時代には珍しい平和主義者であり改良主義者でもあり、カトリック教会に挑戦しながらもルターやカルヴァンと違って中庸を基にしていた人なのが気に入らないのか、という気がしてくる。
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聖書に関して興味のある人間であれば、一度目を通して おかなければならない、必携書とでも言える内容だった。 他人の著作や見解を否定する厳しさが少し気にはなるが、 それも著者の誠実さの現れなのだろう。この本を読むと いかに聖書が多層的で多重的で1冊の本として簡単に括る わけにはいかな...
聖書に関して興味のある人間であれば、一度目を通して おかなければならない、必携書とでも言える内容だった。 他人の著作や見解を否定する厳しさが少し気にはなるが、 それも著者の誠実さの現れなのだろう。この本を読むと いかに聖書が多層的で多重的で1冊の本として簡単に括る わけにはいかないかということがよくわかる。もっと早く、 聖書に関して勉強してみようと思ったその当初に読むべき 本だった。745ページという大著だが、それだけの価値の ある本である。
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