商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房/ |
発売年月日 | 1997/09/26 |
JAN | 9784480033284 |
- 書籍
- 文庫
男流文学論
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男流文学論
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商品レビュー
3.5
8件のお客様レビュー
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吉行淳之介、島尾敏雄、谷崎潤一郎、小島信夫、村上春樹、三島由紀夫の6人の作家と作品について、上野千鶴子、小倉千賀子、富岡多恵子の3人が語り合った鼎談を収めています。わが国におけるフェミニズム批評の嚆矢とは言えないまでも、フェミニズム批評の活性化に大きく寄与した本と言えるように思います。座談会ということもあって、三者ともかなり辛辣な言葉を吐いていますが、制度化してしまったフェミニズム批評には見られないおもしろさがあります。 村上春樹の文体について富岡が作家の視点から鋭い分析をおこなっている箇所には目を見張らされました。また上野が、島尾の小説に対する吉本隆明の批評や、小島の小説に対する江藤淳の批評の視座から離れてそれぞれのテクストを分析する観点を打ち出そうとしていることも、興味深く読みました。 解説は、自身がフェミニズムの観点から文芸批評を精力的におこなってきた斎藤美奈子が担当しているのですが、斎藤と上野の立場には相当な隔たりがあるので、彼女の独壇場とも言える辛辣な放言を交えたフェミニズムふうの批評という土俵に、富岡という強力な援軍を得て上がり込んだ上野に対してどのような評価をおこなっているのか気になったのですが、その意味では少し拍子抜けしてしまいました。なお上野はその後『上野千鶴子が文学を社会学する』(朝日文庫)という本を刊行して、本書における発言を敷衍するような議論を展開しています。
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