めす豚ものがたり

マリーダリュセック(著者), 高頭麻子(訳者)

• 販売会社／発売会社: 河出書房新社/
• 発売年月日: 1997/12/19
• JAN: 9784309202976

商品レビュー

2024/07/27

1996年フランスのベストセラー小説。エロチックな描写にニヤニヤしていられるのは最初の1/4ほどで、ほどなくカフカもかくやという異様な展開に巻き込まれ、物語の境界は想像力の限界まで引き伸ばされていく。豚としての感覚描写が魅力的で、ショッキングな物語とは対照的に牧歌的な雰囲気を湛える。

2021/08/07

主人公は強い！　『辛いことばかりの以前の私の生活』と豚として生きる生活を行き来する中で、どちらも現実をありのままに受入れ、そして対処している。辛いと嘆く前に淡々と行動する姿に不思議と力をもらうというか励まされる。思ったよりも明るいお話。体形も職業もすべてのあり得ない状況も、素直に受け入れて生きる女性はカッコいい！！　この小説、設定は突飛だけれども好き！

2018/12/13

女性が豚になる話。時々もどる。

まあ面白いんだが。

女性が香水店に就職する。面接からして既にダメなんだがね。普通に売り子をするんでなく、女性男性にマッサージを行う。そして性サービスもある。欲望のままやってると怒られる。あたかも上品にわきまえろと。
この主人公は性サービスに対しても世の中の仕組みについても、ちょっとうまく立ち回れない人だった。這い上がるには、ズルさ引き際みたいなのを知っていなければならないのだ、こういうことなんでしょうかな？

人とはモラル尊厳を持って生きねば。O嬢の物語を思い出した。