商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社/ |
発売年月日 | 1997/09/10 |
JAN | 9784309011653 |
- 書籍
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島の少年
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島の少年
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商品レビュー
3
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国語の教科書に載っている作品なので、全編読んでみました。 淡々とした作風でありつつも、人情味を感じさせるストーリーに定評がある作家さんらしく、一作だけハートウォーミングな短編集を読んだことがあります。 そっちのイメージを持ったまんま読んだので、後味の悪い感じが意外でした。 小6...
国語の教科書に載っている作品なので、全編読んでみました。 淡々とした作風でありつつも、人情味を感じさせるストーリーに定評がある作家さんらしく、一作だけハートウォーミングな短編集を読んだことがあります。 そっちのイメージを持ったまんま読んだので、後味の悪い感じが意外でした。 小6で働いて妹と祖父との暮らしを成り立たせないといけないっていう、過酷な環境に置かれた少年。 島の豊かな自然と壮大な海、漁師になりたいという夢があるので、なんとなく憂鬱にならずにすみました。 お母さんが亡くなり、 頼りにしたお父さんからは妹は自分の子じゃないから引き取れないと言われたり、 その妹は、だんだんと盗みグセを身につけてしまうようになったり、 祖父ちゃんは途中寝たきりになって看病しなきゃ行けなくなったり、 友達になれそうな年上の男の子とある出来事から決別したり…。 もうやめて!と叫びたくなるくらい、好転しない。 周りの大人も心配はしてくれても、 行政任せで助けてくれない。 自立心だけはしっかりしているから、 せめて、その頑張りが報われるよう家族三人で穏やかに暮らしていてほしいと思うんだけど、 やっぱり子どもの身で家族の大黒柱になるのは無理ってことなんだろう…。 何か一つでも救いがあればいいのだけど、 結局は保護するもの、加護するものがいないことは大問題だということで、 何も解決することなく終わる感じが苦々しい。 それでも、智之が過酷な環境に負けじと戦う姿は評価したい。 本来なら守られているはずの立場の少年が、 自分自身の力でなんとか家族を支えようとしたこと、 大人たちの説得も耳に入れず家族を保とうとしたこと、 ずっと夢を語り続けたこと。 そりゃあねえ、うまくいくはずないよ。 でも、智之くんは頑張ったよ…。 わたしが同じ立場で、ここまで戦えないよ…! やるせない思いが胸に渦巻きつつも、 強い意思を持った智之には励まされた。 スッキリしない分、続編はないのかと探してしまいました。
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