商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 1996/06/01 |
JAN | 9784163163604 |
- 書籍
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蟹女
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蟹女
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5編を収録。 「耳の叔母」は耳が人のように服を着て踊るイメージがユーモラス。また語り手の中で叔母は「顔のない人」と記憶され、しんしんとした寂しさ、憐れを感じる。 「ワニの微笑み」は社宅住まいの妻が夫に語る、上階に住む妻仲間から聞いた、部屋に夜毎に訪れるというワニの話。上階の妻の妄...
5編を収録。 「耳の叔母」は耳が人のように服を着て踊るイメージがユーモラス。また語り手の中で叔母は「顔のない人」と記憶され、しんしんとした寂しさ、憐れを感じる。 「ワニの微笑み」は社宅住まいの妻が夫に語る、上階に住む妻仲間から聞いた、部屋に夜毎に訪れるというワニの話。上階の妻の妄想?夫にそれを聞かせる妻の作り話?何とも奇妙な心持ちにさせられる。 そして表題作。『八つの小鍋』で一度読んでいたがやはり面白い。連日やって来て語る女の話に作中の聞き役の医師同様、ひたすら耳を傾けてしまう。医師も指摘しているが、この語りの増殖性というか過剰性は一体何なのだろう。何処まで本当なのか判然とせず、遂には神話めいてくる女の話。女性の豊穣性や得体の知れなさをも描いて、これぞ村田喜代子という一作。
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