忍術伝書 正忍記 忍術伝書 武道叢書

藤一水子正武(著者), 中島篤巳(その他)

• 販売会社／発売会社: 新人物往来社/
• 発売年月日: 1996/08/24
• JAN: 9784404023988

商品レビュー

2010/04/07

忍術３大秘伝書（『正忍記』『万川集海』『忍秘伝』）の１つ。
紀州流忍術（新楠流）の伝書。

原本、読み下し、詳細な解説が書かれているので、史料としても価値があり、資料としても読みやすい。
なお、400ページ近いこの本のうち、半分以上は漢文で書かれた原本である。

「序」「初巻」「中巻」「下巻」「奥書」と項目が分かれているが、全て１冊の本としてまとまっている。

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「序」は「『正忍記』を書くにあたった経緯」や「忍者とは何か」などが書かれている。
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「初巻」に書かれている項目
　・忍ぶ出立ちの習い（忍び六具や七方出など）
　・知らぬ山路の習い
　・夜道の事（足なみ拾ヶ条など）
　・禁宿取り入る習い（屋敷への潜入方法）
　・狐狼の（道の）習い
　・牛馬の伝えの事
　・宮寺計聞の習い
　・変化の論（変装術）
　・陣中忍ぶ時の習い
　・水鳥の教え
　・忍び入る時分の事
　・四足の習い
　・二人忍びの事
　・三人しのびの事
実践的というよりは、心得的な内容が多め。
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「中巻」に書かれている項目
　・天動地動の習い
　・高越え下きに入るの習い
　・忍びに色を替えると云う習い
　・敵防ぎと云う習い
　・代人に狙われざる秘法の守り（護符の見本あり）
　・木陰の大事
　・事を紛らかすの習い
　・人に理を尽くさする習いの事
　・人相を知る事
　・忽体に三停ある事（人相術の体編）
かなり実践的な内容。
陰術的な傾向が強め。
ただし、「秘法の守り」や「人相」については科学的根拠に乏しく、忍術の資料として扱うには疑問。
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「下巻」に書かれている項目
　・極秘伝（序論）
　・無門の一関（人の心を読む方法）
　・人を破らざるの習い（勝つために負ける）
　・心相の事（七情/喜怒哀楽愛悪欲についてなど）
　・道理と利口を知るべき事（真理を見極めよう）
　・心の納め理に当たる事（精神力を鍛えておこう）
　・無計弁舌
　・離術法
「心を操る方法」が書かれている。
中巻の「陰術」に比べて、こちらは「陽術」。
現代にも通じる内容である。

『落第忍者乱太郎』ファンならば、見覚えのある術ばかりだと思います（笑）

2006/02/01

忍術の３大伝書といえば、万川集海と忍秘伝、そしてこの正忍記！！！
でもこちらのほうは万川集海ほどは詳しく書かれていませんでした。忍者職の人が書いたわけではないので、間違った記述もあるようでして・・・でも、やっぱりとても参考になる本でした。忍者とはなんだ！ずばりそのことがよくわかります。一読の価値アリです。