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バラッドの世界 ブリティッシュ・トラッドの系譜
3,080円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 春秋社/ |
発売年月日 | 1996/02/10 |
JAN | 9784393934340 |
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バラッドの世界
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バラッドとは物語や寓意のある歌であり、古来、歌い継がれてきた口承音楽である。 本書は、ブリテンを主体に、時代ごとのバラッドの形式の移り変わり、歴史との絡み合いを解説していく。バラッド研究者の横顔も含まれており、興味深い。イングランドによるケルト抑圧などの歴史に関しても簡潔にまと...
バラッドとは物語や寓意のある歌であり、古来、歌い継がれてきた口承音楽である。 本書は、ブリテンを主体に、時代ごとのバラッドの形式の移り変わり、歴史との絡み合いを解説していく。バラッド研究者の横顔も含まれており、興味深い。イングランドによるケルト抑圧などの歴史に関しても簡潔にまとめられており、これまであまりよく知らなかったので、非常に興味深く読んだ。 冒頭に挙げられている世界でも有名なバラッドの例は「スカボロー・フェア」である。サイモン&ガーファンクルの歌唱で知られるポピュラー・ソングだが、実は起源はバラッドなのだという。「パセリ セージ ローズマリー タイム」のフレーズが何を意味するかははっきりとはしないが、薬草であるため、呪文として歌い込んだ可能性もあるようだ。 バラッドは、古い時代には怪奇譚も含む伝承でもあり、そしてまた労働歌でもあり、生臭い事件を伝える瓦版ともなり、歴史の生き証人でもあり、反逆の歌でもあった。 「歌は世に連れ、世は歌に連れ」の言葉通り、伝統を受け継ぎながら、また新たな息吹を取り入れながら、脈々と流れてきたのだ。 個人的には、伝説の時代のオールド・バラッド(クルエル・シスター、クルエル・マザー)、瓦版のようであったブロードサイド・バラッド(マリア・マーティンの殺害)、アイルランドから大陸に渡った恋人を歌う歌(シューリ・ルゥ)、祝祭の伝統を引き継ぐモリス・ダンス、「コーニー(corny)」と著者が呼ぶブルジョア向けの曲の中から日本に取り込まれた曲(蛍の光・埴生の宿)などが印象的だった。 時代が下って、ボブ・ディランやビートルズ、レッド・ツェッペリン、クラナド、エンヤなどにも受け継がれ、ブリティッシュ・トラッドは世界へと広がっていく。 入手可能なCDやレコードの出典も適宜記載した親切な作りである。 が、叶うことならば、講義形式で音源とともに著者のお話を聞けたら楽しいだろうなと思う。 (以下、雑感です) *なぜ今回読んだかといえば、近く、素人集団でビートルズを歌う機会があるため。曲目はバラッド色の薄いものだと思うのだが、そんなこんなもあって親しみを持って読めた。 *出版社の春秋社は楽譜も扱っている。ピアノを習っていた頃、モーツァルト全集、ベートーベン全集なんかでお世話になりました。 *翻って日本ではこうした音楽の潮流というのはあるのだろうか? 説経節→浪花節→演歌というのは1つの流れではあるのかな・・・? でも若い世代にも受け入れられるようなポピュラー音楽に浸透しているとはちょっと言いにくいような気もする。 *バラッドの特徴的なリズムの1つ、ジグを検索していたら映画「タイタニック」が出てきた。そうか、あの船にもたくさんのアイルランド移民が乗っていたのだな・・・。「またの名をグレイス」や「アンジェラの灰」など、移民を扱った話も思い出した。うちにあるCDなんかもいろいろ引っ張り出して聴いてみたり、何だか刺激の多い読書だった。
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