商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 1995/11/30 |
JAN | 9784101063362 |
- 書籍
- 文庫
孔子
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孔子
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井上靖の孔子論的論語論的人生観
本書は、著者が創作した孔子の架空の弟子、エンキョウを主人公に、師・孔子との関係や孔子の考え方から儒教思想にかけて、また孔子思想へのエンキョウの一家言などを縷々、綴ったもの。 無論、架空の人物に仮託し、著者の孔子観・論語観を述べているのは言うまでもない。 言葉遣いが異常に丁寧で...
本書は、著者が創作した孔子の架空の弟子、エンキョウを主人公に、師・孔子との関係や孔子の考え方から儒教思想にかけて、また孔子思想へのエンキョウの一家言などを縷々、綴ったもの。 無論、架空の人物に仮託し、著者の孔子観・論語観を述べているのは言うまでもない。 言葉遣いが異常に丁寧で、むしろ読みづらいくらい慇懃。「日本人作家が手がけた孔子本」らしく受け取れるが、ただ、「老子」や「荘子」や「韓非子」などの他の古典がかなり厳しい口調で綴られているにもかかわらず、本書の言質は「慇懃無礼」なくらい御丁寧。「老荘」関連や「韓非子」など、いずれも戦乱の時代に誕生した、人情の「ささくれ」を感じさせられる本なのに対し、本書が描き出した、やはり春秋戦国の戦乱の時代を生きた孔子は偉大な人格者という筆致。違和感が無いといえば嘘になる。 また、主人公の博学ぶりも怪訝に感じた。当時の知識水準を遥かに凌駕する、名解釈・名言が惜しげなくポンポンと繰り出す。孔子観なり、論語観に纏わる人生論が展開するが、よりによって歴史上の人物(エンキョウは架空なのだが)を軸に展開したのは些か拙かったのではないだろうか。 当時は竹帛の時代で、主として、木簡や竹簡に文字を刻んだ(「帛」は、布地に文字を書いたもの。帛書)というが、井上靖は、さも紙切れのメモ書きがあるかの如く書いていた。つまり、おいそれと運べる「メモ」は、当時、存在してはいなかった。氏が御存知ないわけがなく、便宜上の配慮だと思いますが。 度を超した慇懃な筆致は、気味悪く感じることさえあるが、一面美しくもある、著者の孔子なり、儒教なりへの傾倒を知る手掛かりになる。 主に、孔子晩年の諸国遍歴を軸に展開する。ラストのエンキョウ帰郷のシーンは、孔子の帰魯と二重写しになる麗しい場面で、一見の価値がある。
聖熟女☆ミ
「孔子って良いこと言…
「孔子って良いこと言ってるじゃないか」と、孔子を見直した珠玉の一冊です。「この乱れた世から目を逸らしてはいけない。どんなことがあっても人間が生きひしめいているこの現世から足を外してはいけない。そうではないか、この人という名で呼ばれている輩と共に生きるのではなくて、他の何ものと共に...
「孔子って良いこと言ってるじゃないか」と、孔子を見直した珠玉の一冊です。「この乱れた世から目を逸らしてはいけない。どんなことがあっても人間が生きひしめいているこの現世から足を外してはいけない。そうではないか、この人という名で呼ばれている輩と共に生きるのではなくて、他の何ものと共に生きようというのであるか。所詮、鳥獣の群れに入ることはできないのだ。(本文より抜粋)」目から鱗が落ちました。この言葉は、現代の人にもあてはまるのではないでしょうか。架空の弟子を中心に、孔子の人間像を描いているので固
文庫OFF
孔子が主人公の歴史小…
孔子が主人公の歴史小説。中国物にしては読みやすいです。
文庫OFF