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日月両世界旅行記(第1部) 岩波文庫
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日月両世界旅行記(第1部) 岩波文庫

シラノ・ド・ベルジュラック(著者), 有永弘人(訳者)

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日月両世界旅行記(第1部) 岩波文庫

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商品詳細

内容紹介 内容:月の諸国諸帝国. 太陽の諸国諸帝国
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2005/01/20
JAN 9784003250617

日月両世界旅行記(第1部)

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商品レビュー

2.8

5件のお客様レビュー

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2019/10/05

天動説すらまだ定着していなかった時代に書かれた物語。四体液のバランスによって成立する医学、空の飛び方、月や太陽とは何か、物語の中で主人公がそれらについて議論しているのを聞くと、今ではトンデモ話にしか思えないものも多いが、時代の先取りをしていてはっとさせられるものもある。我々が信じ...

天動説すらまだ定着していなかった時代に書かれた物語。四体液のバランスによって成立する医学、空の飛び方、月や太陽とは何か、物語の中で主人公がそれらについて議論しているのを聞くと、今ではトンデモ話にしか思えないものも多いが、時代の先取りをしていてはっとさせられるものもある。我々が信じている世界の仕組みや常識は、ただ論証によって成立しているだけのもので、今大真面目に語られていることも、遠い未来の人たちから見ればホラ話のように思われてしまうのかもしれない。

Posted by ブクログ

2017/09/01

物語としてはあんまりよく意味がわからない。 しかしこの時代(17世紀)によくもこんな破天荒なことを考えたものだと思った。 シラノおそるべし。

Posted by ブクログ

2017/03/08

17世紀前半のフランスの剣豪であり、作家、哲学者でもあった シラノ・ド・ベルジュラックの空想科学諷刺小説、 「月の諸国諸帝国」と「太陽の諸国諸帝国」二編を収録。 滑稽な冒険譚だが、 往時のキリスト教会のあり方や宗教者の姿勢を批判し、 自由を愛し権力に反抗した当人の生きざまが反映さ...

17世紀前半のフランスの剣豪であり、作家、哲学者でもあった シラノ・ド・ベルジュラックの空想科学諷刺小説、 「月の諸国諸帝国」と「太陽の諸国諸帝国」二編を収録。 滑稽な冒険譚だが、 往時のキリスト教会のあり方や宗教者の姿勢を批判し、 自由を愛し権力に反抗した当人の生きざまが反映された作品。 前者は語り手ディルコナ(Dircona=シラノ de Cyrano のアナグラム)が 火薬を使って浮揚する装置で月へ行き、 出会った人々と問答した後、地球に戻るまで。 後者は月世界旅行記を執筆して毀誉褒貶を招いたディルコナが、 幽閉された塔で飛行具を製作して飛び立ち、 太陽の周りを回る小さな陸地に辿り着き、紆余曲折を経て 死者の魂が安らぐ場所へ向かう物語(但し未完説あり)。 種村季弘『吸血鬼幻想』に引用された部分が 長年気になっていたので、確認のために購読。 「月の諸国諸帝国」でのエピソードで、 月の社交界における飲血と人肉嗜食の奇妙な習慣について。 【引用】p.157-158  「しかしこれでもまだわれわれのもっとも立派な葬式方法ではないのですな。  わが世界の哲学者の一人が精神の衰えを感じ、  寄る年波の氷のためにその魂の働きが鈍くなるのを感じるようになると、  彼は豪勢な宴会を開いて友人たちを集めます。  そして自分が自然にたいして暇乞いをするよう  決心するにいたった動機を開陳し、  もうこれ以上生き永らえても、自分の立派な行ないに  何ものかを付け加える希望も乏しいことを申し述べると、  みんなは彼を赦す、つまりは彼に死を命ずるか、  あるいはなお生き続けるようにと厳しく命じます。  そこで多数決によって自分の生死がみずからの手に委ねられると、  彼はもっとも親しい人びとにその日と場所を知らせます。  呼ばれた人は身を清め、二四時間、食を断ち、  ついでに太陽に犠牲を捧げてからその賢者の家にやってくると、  その高潔の士が装飾を施した寝台の上に身を横たえて待ち受ける部屋に入り、  つぎつぎと順番に彼を抱くのですが、  彼がもっとも愛する人の番になると、  彼はその愛人に優しく口づけしてから、その人を胸に抱き、  口と口とを合わせつつ空いている右の手で短刀を握り、  自分の心臓をひと突きにするのです。  愛人は彼の息が途絶えたと感じるまでは唇を離しません。  そして息を引き取ったと分かると彼の胸から刀を抜き取り、  自分の口で傷口をふさいでその血を呑み込み、  もうそれ以上は飲めなくなるまでその血を啜り続けます。  それが済むと別の一人がつづき、〔最初の人を〕寝台に運びます。  この第二の人が満腹になると、  彼はそこから連れて行かれて寝かされ、第三の人に場所を譲ります。  こうして全員が満腹すると、  四、五時間後に各人それぞれ一六、七歳の少女が当てがわれ、  彼らが恋の喜びに浸っている三、四日のあいだは  生のままの死者の肉を喰うだけで身を養いますが、  それというのも、もしこの抱擁から何ものかが生まれ出れば、  彼らの友が生き返ったと確信をもてるからです」。

Posted by ブクログ

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