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学校の精神風土 ブックレット生きる12
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | アドバンテージサーバー |
発売年月日 | 1994/01/28 |
JAN | 9784930826121 |
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学校の精神風土
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学校の精神風土
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ブックレット「生きる」(1993~95年頃に出ていたシリーズらしい)のNo.12。『治療という幻想』のダイジェストみたいだった。 大人社会が病院化社会とでも呼ぶべき様相を呈しはじめ、学校にもそれは及び、教育が治療者化している、というのが石川さんの憂うことだ。 ▼健康診断の拡...
ブックレット「生きる」(1993~95年頃に出ていたシリーズらしい)のNo.12。『治療という幻想』のダイジェストみたいだった。 大人社会が病院化社会とでも呼ぶべき様相を呈しはじめ、学校にもそれは及び、教育が治療者化している、というのが石川さんの憂うことだ。 ▼健康診断の拡大、とりわけ成人病予防という根拠薄弱な大義名分にもとづいた人体実験。知能検査、適性検査に始まる、親子関係テスト、バウムテストといった種々の心理学的テストの導入。病気の子どもはもとより、学校に行きたくない子どもや、集団からはみ出す子どもに対する治療勧告の強化。(p.7) 治療者化するとは、つまりは「構造的な問題を個人的な病理に還元する」「社会的な問題を個人のせいだけにすり替える」ということ。 治療者化した大人は「子どもたちの心は、はたして健康なんだろうか」と問いかけることを好む。子どもを問題化する、病気扱いする、そして、治療が必要だと個人をがんじがらめにする。『こども、こころ学』の中で、最大限の皮肉をもって、石川さんは、学習障害と診断された子どもに与えられる病名をリストしてみせた。MBD、MBD、LD、EC、AC、AT、ADHD、HHS、PSNS、SDD、SLD、ASD、HC、CD、CD、DBD…これは、ほんの一部なのだという。 大人と子どものすれ違い。「できなさ」に注目する大人。「できなさ」によって学校が隔てなければ、子どもたちは共に育ち合ったのではないかという指摘。 ▼大人はいつも子どものできなさに注目する。今必死で歩いている、なんだかわからないかたことをしゃべっている、その今ここの豊かさよりは、勉強しないというできなさのほうに注目する。歩けなくてもいざり、動けなくてもなお生きている、生命にすでに与えられている豊かさよりは、未来にできてほしいことがらの今のできなさを見る。(p.38) 農業から工業への変化が「人間の機械化」をうんだ。工業から情報産業への変化は「人間の情報化」をうむだろうと20年近く前の石川さんは書く。つまり、「身体面では脳の重視と全身体性の軽視」が、「精神面では、合理的知的操作の抽象化と再評価」が起こるだろうと。脳死論争と、学習障害という名の教育差別は、その先駆けだと。 こうした精神風土が学校にも及び、危ういことになっていることを深刻に受け止めつつも、それでも石川さんは教育の場に希望を捨てていない。「共に育つ義務教育」と「だれをも排除しない高等教育」が、年齢を越え、世代を越え、共に生きるいのちにとって最善の方法となるだろうというのだ。 今の学校は、石川さんがこの本を書いた頃よりもいっそうおそろしい場のようにも思えるけれど、こういう学校の話もあるし、希望をもって。 (7/29了)
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