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「ヒトラー神話」を、ナチ・ドイツを支えた極めて重要な要素とみなし、その草創期から発展期、停滞期、興隆期、絶長期、衰微期、滅亡期まで各地の保安部の民衆の声の報告や、カトリック信者が多く反ナチ的素養がもともと強いバイエルン地方などからの報告、亡命社会民主党の組織構成員ソパーデからのそ...
「ヒトラー神話」を、ナチ・ドイツを支えた極めて重要な要素とみなし、その草創期から発展期、停滞期、興隆期、絶長期、衰微期、滅亡期まで各地の保安部の民衆の声の報告や、カトリック信者が多く反ナチ的素養がもともと強いバイエルン地方などからの報告、亡命社会民主党の組織構成員ソパーデからのそれらを組み合わせ、意外にも(特に私には)ナチ党への信頼や支持が地方の末端で住民の日常生活の陳情を受ける職階のものたちには低めであり不満が多くぶつけられている事、それにもかかわらずヒトラーの名声のそれはそれとは分離して機能し「ヒトラー神話」、「指導者神話」として発達していった過程などが読みごたえのある筆致と多数の引用によって裏付けられつつ記述されており、原著者であるイアン・ケルショー(カーショーなどとも表記される)の真摯で濃密な批判的考察の対象としての「ヒトラー神話」の解明の努力が伺われる良書。推薦図書。(まだ書くかも)
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