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黄金 ハヤカワ・ミステリ文庫
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黄金 ハヤカワ・ミステリ文庫

ディックフランシス【著】, 菊池光【訳】

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黄金 ハヤカワ・ミステリ文庫

748

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 1993/10/15
JAN 9784150707262

黄金

¥748

商品レビュー

4.4

5件のお客様レビュー

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2023/10/30
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※このレビューにはネタバレを含みます

競馬シリーズ26作目。 次から次へと違う主題の話をよく考えつくことができるな、と感心する。 本当に。 主人公イアンの父親の五番目の妻が殺されたところからはじまるが、 その犯人探しよりも、 家や外出先で襲われた父親を守る方に話が進んでいく。 父親は投資家で非常な金持ちとあって、 3人の元妻(1人は事故死した)とイアン以外の8人の子供たちとその配偶者は、 父親の居場所を知りたがっているが、 それは金を求めてのことなのか、 それと殺そうとしてのことなのか。 イアンはアマチュアの障害騎手で調教師の職を辞めたばかり、 父親のガードマンとして、探偵役として、 家族ならぬ部族への渉外役として働く。 父親が馬に興味を持ち始め、競走馬を買って優勝し、 襲撃を逃れるためもあって、 フランス、アメリカ、オーストラリアと競馬場を訪れるようになっていくのが 面白かった。 多分、最も良い妻であった四番目の妻は、 双子の息子の一人と自動車事故で亡くなった。 生き残った方の息子は脳損傷のため病院で暮らしているが、 イアンと父親が会いに行く場面で、 まさかこの息子が病院を抜け出して…と思ってしまった。 よごれている。 父親への襲撃や馬主への道のりにウエイトを置いて、 五番目の妻の殺人事件や、四番目の妻の事故死をぼんやりとさせておき、 最後にスポットライトをあてる手腕はさすが。 家族にむやみに金を与えることは堕落させるという主義だった父親は、 決してケチなわけではなく、 気前よくホテルに泊まったり、イアンに小切手を切ったり、 馬を買ったり、海外逃亡するさまが心地よかった。 イアンの説得に応じてお金を渡したことによって、 子供たちの人生が好転したのが印象的といえば印象的。 テーマは家族かと思っていたが、金だったのか。

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2019/11/28

2019/12/4読了。アマチュア騎手。イアン.ペンブロックが主人公。『標的』に続いて読了。心理描写と登場人物の人間の葛藤には息を飲む迫力。犯人は?今での作家の冒険シリーズとは別路線の感はあるが堪能した。

Posted by ブクログ

2012/06/30

フランシスの作品としては、どちらかというと地味である。スタンダードな犯人捜しミステリなんだけど、その方法が、容疑者たちの心理分析、特に現在の人格がどのように形成されていったかを検証することとなっている。地味ではあるけれど、人間ドラマとして深みがある。 大金持ちの父親がいて、何人...

フランシスの作品としては、どちらかというと地味である。スタンダードな犯人捜しミステリなんだけど、その方法が、容疑者たちの心理分析、特に現在の人格がどのように形成されていったかを検証することとなっている。地味ではあるけれど、人間ドラマとして深みがある。 大金持ちの父親がいて、何人もの母、たくさんの兄弟たちがいる。父親と心を通わせることができる唯一の息子である主人公は、義母の一人を殺し、父親の命をねらう犯人を、まさに家族の中から捜さなければならない。財産目当てに父親に媚びを売っているとの蔑み、憎しみ、妬みの渦の中で。 ミステリとしては地味、小説としては深みがある。 エリート階級の多いフランシスの登場人物中でも、この父親はトップクラスだ。海外も含め、華やかな競馬場のシーンは印象的である。激しいお金の使い方も。もっとも、金持ちなのは父親であって、主人公はそれほど注目を集めていないアマチュアの騎士であるが。そのあたりで、妙に親子関係が予定調和しすぎている気がしてならない。もっと葛藤があるんじゃないかな。 また、ちらりと登場する主人公の恋人(愛人?)は強い印象を残すけど、なんだか唐突で、ぽつんと他から切り離されているような感じがして、少し不思議だった。

Posted by ブクログ

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