マークスの山 ハヤカワ・ミステリワールド

髙村薫【著】

• 内容紹介: 16年前に南アルプス夜叉神峠で起きた一家心中事件。奇跡的に生き残った少年が成長し、事件を犯したことで、事態は思わぬ方向に・・・次々に謎の凶器で惨殺される被害者。バラバラの被害者を結ぶ糸は？捜査陣を振り回す犯罪者「マークス」の目的は何なのか？刑事・合田雄一郎が冷血の殺人者を追い詰める！
• 販売会社／発売会社: 早川書房/
• 発売年月日: 1993/03/31
• JAN: 9784152035530

商品レビュー

2009/12/09

直木賞受賞作！

[TKS]

第109回「直木賞」受賞。精神に障害を負う犯人と、姿なき殺人者を追う刑事。警察小説としてミステリーとして、読みごたえ十分。事件により絡みあう人生の重み、ラストの切なさ。ぜひ一読を！

2025/01/18

　　　　　『マークスの山』

第109回　直木賞

はじめまして…高村薫さん。

「いつか読みたい！！」
って…ずっと思っていた作品。
私の手元には文庫本の上しかないもんだから
図書館行ってきちゃいました！

440頁のハードカバー　上下2段
字もギッチリで…心折れちゃうよぉ　ಠ_ಠ
ちゃんと読める？
何ヶ月かかっちゃうの？
なーんて危惧してたんだけど…
安心してください！！　読めましたよ

とても重厚な作品。

物語は昭和五十一年　秋
ひとつの殺人事件があり
ひとつの心中事件があり
時は進みます。

昭和五十七年　秋
患者に暴力を振るう看護師が
殺されるという事件が起きる。

平成元年　夏
土砂崩れが起きた甲府の山で
白骨化の遺体が発見される。

東京では
強盗傷害の罪で
お豆腐屋さんで働いている
若い男が逮捕される。
この時、逮捕したのが…
主人公の合田雄一郎。

そして…
平成四年十月一日（木）
「マークス」と名乗る男による
連続殺人事件が発生する。

「マークス」という言葉の意味。

読み終わった瞬間
呆然としてしまいました。
とても切なく涙が出ちゃうし…
ズーーンと重〜い気持ちに
なっちゃうんだけど、読んでよかったぁ
感慨深いわぁ✨

あぁぁぁぁ　間違いなく
推理小説部門…2025 Best 1 でしょう。

あっ　狡いやり方しちゃってる…。
バレちゃったかしら
許してねっ☆

2024/07/06

男性同士のバディものの本が読みたい中でネットの
おすすめに出ていたので読んでみた。
ある山で起きた事件がきっかけになってそれが16年後に連続殺人になってしまうお話。
刑事の合田と殺人犯のマークスの両方の視点から描かれている。刑事同時のリアルな会話や利権のぶつかり合いを強く感じた。また、出てくる警察官が、個性的な中で合田が唯一気を許して会話している検事の加納とのやりとりに少しほっこりした。
　マークスと名乗る男は、山での事件がトリガーになって精神的に疾患を抱えながらも本当の人格と(マークス)の人格で揺らいでいる姿がとても苦しく感じた。
　クライマックスの雪山のシーンを見ると人は大自然の前では何もできなくて、その大自然によって人間の脆弱な心身が剥き出しにされてしまうのかなと思ってしまった。
　山がテーマになった作品だけど、自分も山に登りたいなとも思えた作品。