商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論社 |
発売年月日 | 1993/04/10 |
JAN | 9784122019911 |
- 書籍
- 文庫
ユートピア
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ユートピア
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3.9
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防衛。四方を海で囲まれた自然の要塞をもつ。他国と同盟はしない。同盟はしばしば誠意をもって守られないから。戦争を嫌うが、戦争の準備はしており、自分たちの国境防衛、友邦の領土に侵入した敵の撃退、僭主制で圧迫されている他の民族を解放してやるためであれば戦争の手段に訴える。戦争になれば、...
防衛。四方を海で囲まれた自然の要塞をもつ。他国と同盟はしない。同盟はしばしば誠意をもって守られないから。戦争を嫌うが、戦争の準備はしており、自分たちの国境防衛、友邦の領土に侵入した敵の撃退、僭主制で圧迫されている他の民族を解放してやるためであれば戦争の手段に訴える。戦争になれば、貨幣を使い外人部隊を募る。貨幣を使い敵を買収する。▼農業。市民は農場に交代で来て農業をする。農業は万人共通の職業。ひとりの例外なく課せられる。すべての人が子どもの頃から教え込まれる。農業の他に一つ別の職能を覚える。毛織、亜麻織、石工、鍛冶、錠前、大工。▼偽の快楽。衣服、宝石、金、名誉、高貴は空虚で無益。自然本性に従って生きることが幸福。▼奴隷。犯罪者は奴隷になり、安い値で売買されるか、ただで取引される。奴隷は絶えず働かせ、鎖につなぐ。▼男女。求婚者の男女は互いに裸になり、肉体上のことで気に入らないことがないか確認する。婚前交渉は処罰され、二度と結婚できない。再婚は長老会議の承認が必要。食事の準備は女だけがする。▼安楽死。司祭や長老会議が認めれば、苦痛を断ち切らせるため、自ら断食をするか、眠らされて楽にさせられる。トマス・モア『ユートピア』1516 防衛。都は何重もの城壁に囲まれ、塔・堀・戦争道具などで守られている。▼都の最高支配者は、知恵と学識をもつ祭司(学者)で、善政をしく素質をもっている。祭司は絶対的な権威をもち、一切のことは祭司に従属する。祭司を3人の長官が補佐する。「権力」は軍事防衛を、「知恵」は学問を、「愛」は生殖を担当する。▼生殖。品種改良で優秀な子孫を残す。やせた男は太った女と結婚させる。血気盛んな男は冷たい女と結婚させる。賢明な組み合わせであらゆる行き過ぎが調整される。▼兵役・農耕・牧畜を共同で行う。裁縫・料理は女の仕事。▼あらゆるもの(食べ物・家)はすべて共有。財の分配は行政官が決定する。それぞれの人が余計なものを手に入れないよう監視している。私有財産はエゴイズムを生む。エゴイズム(個人の利益)を否定することで、公共への愛だけが残る。園主「それじゃだれも働こうとしなくなるでしょうね。他人が働いて自分を養ってくれるのを待てばいいのだから。アリストテレスがプラトンに反対したのはこの点ですよ」。艦長「いいえ。この都の市民は信じられないくらい愛国心が強く、市民はみんな(公共)のために喜んで自己を犠牲にするのです」。トンマーゾ・カンパネッラ『太陽の都』1602
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「ただ少ないというそれだけの理由で人間が愚かにも高く評価しているにすぎないのではないだろうか。」 「隣人に対して親切丁寧であれと命じた時、それは自分自身に対しては残酷無情であれという意味ではなかった。」
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『ユートピア』とは15世紀後半から16世紀前半を生きたトマス・モアによって描かれた理想国で、その国では貨幣がなく一切のものが共有である。 家は鍵が付いておらず、どの家も同じ作りであり、10年ごとに抽選によって取り換えることになっている。 衣服は丈夫な皮革製の質素な服に、毛織物の上着を羽織る。これらは各家庭で作られ、決して華美なものではない。 各地の中心にはあらゆる種類の品物を扱う市場が立っている。すべての家族の生産品が持ち込まれ、また必要なものを世帯の代表者が持ち帰る。 こういった衣食住に困ることのない社会であるが、もう一つの顔として徹底した管理社会である。 人口を保つため法律で世帯による子供の数が決められており、許可もなく州を移動する事は出来ない。許可証を持たず州の境界をうろついているのを見つかると厳重に処罰される。二度同じ過ちを犯すと、今度は罰として奴隷にされてしまう。 『ユートピア』で暮らしたいかと聞かれると、厳しすぎる管理社会のため遠慮したいが(笑)、 貨幣を持っていれば、ネットショッピングで大体の物を手に入れることが出来る現代では、すぐ所有でき満たされるが、満足感が持続せず、すぐに空虚感を感じるように思う。 だからこそ、『ユートピア』の文中の「誰も何ものも持ってはいないが、しかも皆が豊かなのだ。」には羨ましさがあった。
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