こんなに楽しい絵本の読み聞かせ かつおきんやと読む13の名作

かつおきんや【著】

• 販売会社／発売会社: 民衆社
• 発売年月日: 1993/12/01
• JAN: 9784838307326

商品レビュー

2014/03/10

読み聞かせは絵本の世界を壊さないように
あれこれ口を出さず、そのまま読む、
と教わった私としては目からウロコの本でした。

未就学児童に向けた読み聞かせ、
というより絵本を使った遊び、とでも言うのでしょうか。

これはいかがか、と思う人もいるかもしれませんが、
私はこれはこれで絵本の世界をより深く味わうための
素晴らしい試みに思われました。

未就学児童の場合、いろいろな経験がまだ少ないので、
さらっと読まれては色々なことに気づけずに、
絵本の中にじっくり入っていけないこともあるのではないでしょうか。
それをゆっくりと絵本の内容についてやりとりしながら、
味わっていくことによって、
絵本の世界を子どもたちはまさに体験できるような気がします。

絵本の内容についてやりとりといっても、
これはまさにセンスが問われるのかもしれません。
テストや尋問のような質問攻めはうんざりですが、
一緒に絵本の世界を楽しむ、というスタンスでの
子どもと対等なやりとりは決して悪くはないと思います。

また著者の方も、最初はいろいろやり取りをするけれど、
回数を重ねるごとにやりとりを減らしていく、と書いていました。
絵本の世界がしっかりと子どもの中に描ければ、
あとは余計な口出しはしないで、
絵本そのものが子どもの中で自由に羽ばたくべきだということを、
きちんと理解していらっしゃるのだと思います。

絵本の読み聞かせについて様々な本が出ていて、
その読み方についてはあれこれと喧しいですが、
ここまで自由に読んでいくことを提唱している本は少なく思われます。
そして、これは特に低年齢のお子さんに向かってする読み聞かせとしては、
一番あるべき姿なのでは、と思わせるものがあります。

読み聞かせに興味がある方は一度目を通されることをおススメします。