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家はあれども帰るを得ず
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家はあれども帰るを得ず

関川夏央【著】

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家はあれども帰るを得ず

1,282

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋/
発売年月日 1992/04/30
JAN 9784163463704

家はあれども帰るを得ず

¥1,282

商品レビュー

4

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2023/04/06

関川夏央は好きな作家で、かなり沢山の著書を読んでいる。なぜ好きなのかを説明するのは難しいのであるが、本書のあとがきに、筆者自身が本書をどういうつもりで書いたのかを語っていて、それが、私が関川夏央を好きな理由の説明になっていると思うので、少し長くなるが、抜粋しながら引用する。 【...

関川夏央は好きな作家で、かなり沢山の著書を読んでいる。なぜ好きなのかを説明するのは難しいのであるが、本書のあとがきに、筆者自身が本書をどういうつもりで書いたのかを語っていて、それが、私が関川夏央を好きな理由の説明になっていると思うので、少し長くなるが、抜粋しながら引用する。 【引用】 ■身辺雑記でなければ、ではなにかと問われると答えにやや窮する。歴史上の人物に言及した幾篇かを除き、強いていうなら嘘話である。嘘話に露悪のいや味があるなら、これらの短文はことごとく小説だ、といいかえる。または意図して私小説のごとくつくった虚構だという。 ■・・・・食べ散らかしたような仕事を俯瞰してみれば、東北アジアの勉強から現代マンガの批評に至るまで、全体はいちおう同方向に流れているとも見える。 ■それは日本人とはなにかということである。あるいは日本人たる自分とはなにかということである。日本社会に満ちる空気や流行につとめて距離をおこうとしても、それらはあたかも見えざる手のようにわたしをあやつる。いうまでもなく誰もが自分の背後にひそむ長大な歴史から自由ではないし、ことに自分の成長した時代の精神そのものによってきびしく束縛されつづけている。自分とはなにものかを知りたいと願うわたしは、だから「戦後」時代の解析と、それを虚構化できわだたせてみる作業にすこぶる興味を持った。そしてこの本に採録したような短文を、ある時期せっせと書いた。 【引用終わり】 と書いたうえで、関川夏央らしく照れて「などというのは、実はとってつけたような屁理屈である。」と続けているが、本書に書かれていることを、筆者なりに説明すると上記の引用のようになると思う。 関川夏央は、私よりもだいたい10歳年上である。だから、関川夏央が描く「時代」には、私には分かる部分と分からない部分がある。分かる部分についても、関川夏央の時代理解と私のそれでは異なる部分があるが、それでも、関川夏央の時代解釈はとても興味深く、読んでいて面白い。自分自身を理解するには、自分が生きた時代を理解する必要があることはその通りだと思うし、それを強調するために創作を行うという手法は興味深い。それを関川夏央の美文と一緒に読むことが私は好きなのだ。

Posted by ブクログ

2007/12/17

テーマとかそういう繋がりのない短い文章集。エッセイと小説ごちゃ混ぜ。うーん、いいなぁ。東京八景、良かった。全てどんな光景か目に浮かぶ。

Posted by ブクログ

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