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地球上から天然痘が消えた日 国際医療協力の勝利 科学・技術の最前線2
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | あすなろ書房/ |
発売年月日 | 1991/08/25 |
JAN | 9784751516126 |
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地球上から天然痘が消えた日
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天然痘撲滅の際,WHOのど真ん中にいて活躍していた日本人・蟻田巧さんが書かれた本です。 小学校高学年から読めるかな。中学生くらいかな。 天然痘でなくなった可能性の高い人には,平清盛(1181年),徳川吉宗(1751年),ピョートル2世(1728年,14歳,露),ルイ15世(1774年,仏)などがいるそうです。ルイ15世の死後15年後にフランス革命が起きています。 なにせ,ど真ん中にいた方なので,天然痘との戦いの様子はとても具体的です。いわゆる発展途上国で,天然痘にかかっている人を見つけたり,ワクチンを打とうとするときの大変さは,経験した人じゃないと分からないなと思います。 「天然痘を根絶する」ことに対しても,みんなが最初から同意していたわけではなかったようです。 最後は投票になりました。結果は,わずか二票の差で可決。天然痘根絶対策の強化が決まったのです。おもにアジア,アフリカ,ラテン・アメリカの発展途上国が賛成,大部分の先進国は,反対か棄権でした。(p.57) このような状況から始まったのですから,前途多難です。 それでも,活動が進むにつれ成果が上がりだし,そのうち大国が本腰を上げてお金や人を出し始めたりするあたりは,「歴史は動くんだな」と思ったりもしました。 アメリカのアフリカ作戦は,人と物をおしまないものでした。アトランタの疾病対策研究所に総合本部をおき,そこに六人,ナイジェリアの首都ラゴスに地域本部をおき,そこに八人,さらに各国に,あわせて三三人の専門家を配置しました。年間の予算は約四〇〇万ドルで,WHOの二四〇万ドルをはるかにうわまわっていました。(p.78) アメリカはジョンソン大統領の指導力の元,これだけのことをやったのでした(1970年ごろの話です)。それと引き換え,今のトランプは,WHOに金は出さない,それどころか撤退とまで言っています。人類のために動くことが最終的には自国にも+に働くことが分からないのでしょうかね。 天然痘の根絶に世界が使った費用は,一九六七年~八〇年までで,約三億ドルと考えられます。天然痘が根絶されたため,予防接種などの対策をしなくてよくなったわけですが,そのために世界で節約される費用は,一年で一〇億ドルと計算されています。いかに,予防が治療にまさるものかが,わかあります。(p.188) 蟻田さんは,「天然痘根絶の成功が教えるもの」として,以下の4点を挙げています。 ・国は協力しあえるものだ ・ものごとは,とことんまでやりぬくことだ大事 ・病気と戦うには,予防が大事 ・ものごとを進めていくときには,正しいことなら,あまり妥協をしてはいけない さて,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では,世界がどのように協力し,克服していくのでしょうか? 世の為政者たちには,成功例に学んで欲しいものです。
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