商品詳細
内容紹介 | 内容:児童館.路上公園.笑顔.病室のある家 |
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販売会社/発売会社 | 日本文芸社 |
発売年月日 | 1989/04/15 |
JAN | 9784537049824 |
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児童館
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家族や孤独が共通テーマの短編集。親が死んでいたり不在の設定が目立つ。 「児童館」 実家暮らしの中年姉妹と老いた両親の物語。主人公が自分の妄想世界に閉じこもってぼんやりしているうちに、それまで相手はいないと思われていた妹二人が結婚や同棲のためにさっさと家を出ていき、両親も知らんふ...
家族や孤独が共通テーマの短編集。親が死んでいたり不在の設定が目立つ。 「児童館」 実家暮らしの中年姉妹と老いた両親の物語。主人公が自分の妄想世界に閉じこもってぼんやりしているうちに、それまで相手はいないと思われていた妹二人が結婚や同棲のためにさっさと家を出ていき、両親も知らんふりをしていたが実は陰から応援していたと明らかになる展開はカフカの『変身』の家族たちの変身を連想させる。不審者と主人公の見る─見られるの関係性についてはあまり効果がなかったような。 「路上公園」 妻子ある年上の男と十年以上交際してきた主人公が、相手の加齢とともにその存在を重荷に感じるようになり、別れ話を告げると途端に豹変して刃物まで持ち出したので怖くなり黙って姿を消す。テーマは孤独とか逃走なんだろうが、老いゆく男が自分より若い女に執着する狂態が強く印象に残った。 「笑顔」 不仲だった母親が死に、整理のために何年かぶりで実家に戻った主人公は押入れの奥に隠すようにしまってある雛人形と手紙を見つける。自分が子供の頃、家に雛人形はなかったのにと不審に思いながら手紙を読むとそこには母親の秘密が書かれていた。この短編が本書でいちばんよかった。 「病室のある家」 それぞればらばらに暮らしている家族4人の話。血縁や人間関係の鬱陶しさや、欲の深さが印象深い。設定は面白いのにそれを活かしきらないうちに中途半端で終わってしまうのでもったいなく感じた。 増田みず子の短編って内容に対してタイトルが不思議なのが多い印象。
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