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大地の子エイラ(中) 評論社文庫第1部始原への旅だち
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 評論社 |
発売年月日 | 1988/06/10 |
JAN | 9784566021334 |
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大地の子エイラ(中)
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この本を読み出すと暫くして世の中は夏休みに入った。そうすると、小さな女の子がTシャツなどの薄着で巷に飛び回っているのを目にするようになる。その女の子たちがエイラに見えて仕方ない。小学高学年ぐらいだと、もう150センチの身長も珍しくはない。背を真っ直ぐに立てて長い足で走り回る。手を...
この本を読み出すと暫くして世の中は夏休みに入った。そうすると、小さな女の子がTシャツなどの薄着で巷に飛び回っているのを目にするようになる。その女の子たちがエイラに見えて仕方ない。小学高学年ぐらいだと、もう150センチの身長も珍しくはない。背を真っ直ぐに立てて長い足で走り回る。手をぐるぐると回す。止めのないお喋りをする。そんな普通の動作がネアンデルタール人にとっては異常な動作に見える。顔は扁平で金髪で青い目、となるとエイラになってしまうのではある。髪が黒くて真っ黒に日焼けして鼻ぺちゃの日本人でも、ネアンデルタール人にとってはエイラと同じように十分「醜い」容貌に見えたことだろう。 エイラの物語は、そのまま新人類たる我々の可能性そのものである。この(中)巻でエイラは、ネアンデルタール人のように本能で記憶するのではなく、論理的に学習し記憶する。洞穴熊の1番の石投げ器使いよりも遥かに上手く狩りが出来た。最も知恵のあるまじない師クレブよりも数を数えることを難なく成し遂げた。そんな当たり前のひとつひとつのことがこんなにもドラマチックだったとは、私たちはどうして想像することが出来ただろう。 エイラが一族の掟に触れて厳冬期の森に追放された時に、優れた生存能力を発揮したのは、偶然性もあったが、必然性もあった。追放=死と捉えていた洞穴熊族がエイラの帰還を死の世界からの帰還としか思えなかったのは、応用の効かなくなった種族の限界に囚われていたからだろう。我々は我々の種族であるエイラに共感しながらも、失われた種族の洞穴熊族にも想いを馳せざるを得ない。 2013年8月2日読了
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