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高群逸枝論 「母」のアルケオロジー
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 1988/02/29 |
JAN | 9784309241005 |
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高群逸枝論
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高群逸枝論
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
高群逸枝の思想のうちに、現代のポストモダン思想に通じる側面があることを論じながら、彼女が陥った問題を明らかにしている本です。 ハイデガーや西田幾多郎、あるいは仏教思想や井筒俊彦の言語哲学などを参照して、高群の議論を読み解いているのですが、やや荒っぽさが目につきます。たとえば高群...
高群逸枝の思想のうちに、現代のポストモダン思想に通じる側面があることを論じながら、彼女が陥った問題を明らかにしている本です。 ハイデガーや西田幾多郎、あるいは仏教思想や井筒俊彦の言語哲学などを参照して、高群の議論を読み解いているのですが、やや荒っぽさが目につきます。たとえば高群の思想を「現象学的」と特徴づけているところなどは、相当厳密さを欠いているように思えてしまいます。 とはいえ、高群の思想が単なる父性の対立項としての生命主義的な母性賛歌ではなく、そうした対立図式の根底にある構造の生成をとらえようとしたものする解釈は、興味深く感じました。また、エピステーメーのレヴェルにおいて「人間」の消滅を論じたフーコーに対して、高群の議論が自我の否定としての「無」を目的としている点に問題を見いだしているところにも、ポストモダンとプレモダンが直結してしまう日本の思想的状況への鋭い問題提起となっているように思います。
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非常に読みごたえのある一冊。 高群逸枝の思想を一つ一つ掘り下げ、その内実を暴露するものである。 また、山下氏のフーコー好きもかいま見えるという感じがする。 ともあれ、言語学等広範な思想を援用しながら近代的な思想をもって高群を解読した価値ある一冊である。 また、高群の詩なども引用さ...
非常に読みごたえのある一冊。 高群逸枝の思想を一つ一つ掘り下げ、その内実を暴露するものである。 また、山下氏のフーコー好きもかいま見えるという感じがする。 ともあれ、言語学等広範な思想を援用しながら近代的な思想をもって高群を解読した価値ある一冊である。 また、高群の詩なども引用されており、社会的事情もよく考察されている。 思想を解明するという点ではとてもしっかりしているが、全体の見通しがつかみにくい。 逆に、関係する近代思想をことごとく引いているという感もあり、全体との関係性から高群の思想を理解するという点で非常に優れている。 終章で筆者は、高群の思想が形而上学的なものの否定から始まって、最後の結論が目的化してしまうことで再び形而上学的なものとなってしまうということを解き明かし、その循環的な言語ゲームから脱することが課題だと述べている。 その前で、高群批判はその部分について行うべきだとも述べている。 これは当を得た、根本的な指摘であろう。しかし、その答えは未だ見えない。 2012年5月再読。 なんというか当時流行った思想の拙い切り貼りという感じもして、引用に使うのがためらわれる。 しかし、皇国思想との関係や戦後の高群について言及している数少ない本であるという点は、貴重な価値を認められるだろう。
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