商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 1988/07/01 |
JAN | 9784488224035 |
- 書籍
- 文庫
殺意の迷宮
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殺意の迷宮
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商品レビュー
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「パトリシア・ハイスミス」の『殺意の迷宮』を読みました。 1964年度の英国推理作家協会賞を受賞した著者の代表作です。 -----story------------- アメリカから追っ手を逃れて冬のギリシアにやってきた詐欺師「チェスター・マクファーランド」とその妻「コレット」...
「パトリシア・ハイスミス」の『殺意の迷宮』を読みました。 1964年度の英国推理作家協会賞を受賞した著者の代表作です。 -----story------------- アメリカから追っ手を逃れて冬のギリシアにやってきた詐欺師「チェスター・マクファーランド」とその妻「コレット」、暗い影を背負う青年「ライダル・キーナー」とがアテネの街角で出会い、悲劇が始まる。 尋問にきた地元の刑事を殺し、クレタ島に逃れた三人を待ち受けていたのは…。 ----------------------- 長編なので気合を入れて、、、 そして『太陽がいっぱい』や『見知らぬ乗客』の原作で有名な「パトリシア・ハイスミス」の作品ということで期待をしながら読んだのですが、登場人物に感情移入できず、面白いと感じることなくエンディングを迎えてしまいました。 心理描写や行動が中心の物語だったので、気持ちがシンクロしないのは辛かったです。 正直なところ好みの作品ではないですね。
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新婚の若妻コレットを連れてギリシャを訪れた詐欺師のチェスター。だが、アメリカでの犯罪はすでに露見しており、国際警察がホテルへやってくる。勢い余って刑事を殺してしまったチェスターの元に、突如見知らぬアメリカ人青年ライダルが現れ死体の隠蔽工作を手伝ってくれる。目的のわからないライダルを怪しみつつも、共犯となった三人はクレタ島で身を隠すことにする。疑心暗鬼の果てに憎しみあう男たちの逃避行を描いたサスペンス。 原題は"The Two Faces of January"。訳者あとがきではJanuaryの語源であるヤヌスの二つの顔に掛けているのだろうと推測されているが、私は『キャロル』に「一月はふたつの顔を持っている」というフレーズがあったのをはっきりおぼえている。「一月。一月にはすべてがある」からはじまるその段落は、『キャロル』のなかでも群を抜いて美しい箇所だったからだ。 ハイスミスにとって特別な季節だったとおぼしい一月の名を冠した本書は、殺人を通して知り合った夫婦と青年の三角関係の物語。ライダルには関係が悪化したまま修復せずに他界してしまった父がおり、面影の似たチェスターを追っているうち犯罪にも手を貸してしまう。チェスターはチェスターで、ライダルを金目当ての脅迫者に違いないと思い込んでいる反面、最後までなんとなく頼りにしている愚かな中年男。 チェスターの若妻コレットがライダルを気に入ったことから関係は歪みはじめるのだが、幸か不幸か、ハイスミスが男と男のあいだに挟み込む女はワルくて可愛いんだな。チェスターの正体を知ってなお結婚し、死んだ刑事を憐れみながらもケロッとしている彼女の胆力と魅力は主役の男たちを凌駕している。この女、タイピストの前は何をやってたんだ。 刑事の殺害で結びついた男たちは、コレット殺害によって決別する。父の代わりに見立てた男を結局は父と同じく憎むようになってしまったライダルだったが、傍目にはその憎しみと矛盾するような行動を取り続ける。後半のライダルとチェスターの行動原理は時々不可解で、作中で二人を尋問する刑事たちからも"敵対関係に見せかけた共犯者なのでは"と疑われている節がある。正々堂々出頭して告発するのではなく、永遠に二人で追いかけっこしていたいかのような。 それがついに露わになるのが、唐突にも思える最後の和解なのだろう。まさか父親と重ねられているとは知らずに死んでいったチェスターの胸を過ぎったのは、パニック状態の自分に手を貸してくれた恩義のようなものだったのだろうか。チェスターに父を、コレットにかつて自分を裏切ったアグネスを重ね見ていたライダルは、死によってはじめて自分がチェスター本人と向き合っていなかったことを後悔する。とはいえ、実際に二人殺してる男なんだけどね。"憎むべき"と自己暗示をかけていた男が死んでから、やっとその感情に親愛と同情も混じっていたと認めることができたという哀しきBL。終盤は冗長だったけど、ここまで書くなら墓参りまで書いてほしかったな。
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『リプリー』『変身の恐怖』などで知られるパトリシア・ハイスミスのサスペンス小説。本作で英国推理作家協会賞を受賞。 4/11に映画も公開されるようで、けっこう雰囲気のあるスチールをあしらった帯が巻かれている。ギリシアの牧歌的な風景と、人間心理の綾が織りなす、緊張感のある展開の対比が面白かったので、内容も割と映像化に向いているのでは? 特に、主人公の1人が妻を殺すシーンは映像で見てみたい。 1箇所だけかな〜り引っかかるところがあるのだが、そこは何とかスルーすれば(でないとストーリーが成立しないw)、黄金期の探偵小説とはまた違う楽しみが待っている。 でもなぁ、気になるよなぁ……。
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