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骨のフォークロア シリーズ・にっぽん草子
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骨のフォークロア シリーズ・にっぽん草子

藤井正雄【著】

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骨のフォークロア シリーズ・にっぽん草子

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 弘文堂
発売年月日 1988/02/10
JAN 9784335570377

骨のフォークロア

¥1,320

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2011/07/25

「骨は生きている!」 演劇『野獣降臨』において野田秀樹はこう言った。 死んだあとに残される骨を、ひとはどう捉え、どう扱ってきたか。 「あとがき」にて著者はこう語る。 【本書の目的は「骨」に関するフォークロア(民俗学)をグローバルに比較民俗学の視座で論じようとしたものである。し...

「骨は生きている!」 演劇『野獣降臨』において野田秀樹はこう言った。 死んだあとに残される骨を、ひとはどう捉え、どう扱ってきたか。 「あとがき」にて著者はこう語る。 【本書の目的は「骨」に関するフォークロア(民俗学)をグローバルに比較民俗学の視座で論じようとしたものである。しかし、当初の目的とは異なり、出来上がった本書は「骨」のフォークロアというよりも、「骨」をめぐるフォークレリジョン(民俗宗教)といった方が適切であるかも知れない。(P211)】 死体を処理するにあたり、肉は焼くなり風化させるなり、鳥獣に食べさせるなり、あるいはひとが食べてしまうなり、さまざまな方法で「処理」できるのだが、どうしても骨は残ってしまう。 本書の概要は、この「骨の処理」をめぐる方法についての紹介といってもいいだろう。 グローバルな視座で、と著者がいうとおり、ヨーロッパをはじめとして世界各国から葬送の方法と骨の処理のありかたについて紹介がある。 また、日本各地の葬送と骨の処理についても紹介しているのだが、いずれにせよ参考文献の引用に止まっているという印象が否めない。 逆に、世界各国の葬送と骨の処理について、概要を知るには好著であるともいえようか。 最後に、「遺骨崇拝の行方」として、【(墓は)都会においては遺骨を安置しておく場所であって永久に土に還ることができなくなった(P210)】と指摘する。 さらに、【墓地の急騰で墓離れが広がる】ために、遺骨を【納骨して祭祀する形態をとるのか、あるいは(略)遺骨を自然にかえす思想の復活の方向をとるかの二者択一を迫られているのである。(P210)】と述べる。 現代ではこれに加えて孤独死の増加、独身者の増加、あるいは子を持たぬ夫婦の増加にともなって、遺族の不在という新しい要素が加わってくる。骨が残っても、弔うひとがいないのだ。 我々は、死ぬ前に自分の骨の行方を決めておかなければならない時代に生きているのだ。 託せる子孫のいない場合はその選択は当然厳しいものになるだろう。 なるほど「骨は生きている。」 弔われようとも、弔われずとも、骨はそこに在り続けるのだ。

Posted by ブクログ

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