商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 1988/09/20 |
JAN | 9784334708122 |
- 書籍
- 文庫
無人島の首なし死体
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無人島の首なし死体
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〇 概要 推理トリック研究家,久我京介は,助手の昭夫から瀬戸内海の別荘に招待され,夏のバカンスを楽しんでいた。そんな中,無人島の浜辺に首がない死体が発見される。続いて,密室殺人が起こる。推理トリックに造詣が深い,著者による長編ミステリ第2弾 〇 総合評価 ★☆☆☆☆ 推理クイズ的なトリックが満載の軽いミステリ。キャラクターも推理トリック研究科の久我京介という軽い設定。こんな人物に警察が捜査情報を漏らしたりする,非現実的な内容。犯人の犯行の動機も,銃を撃ちたかったから撃ったら偶然人に当たってしまった。その死体が発見されそうになったから・・・というひどいもの。 金田一少年シリーズの方が,まだリアリティがある。トリックも雑。ハンググライダーを利用したアリバイトリックとか,ICがローマ数字で99を意味するというダイイングメッセージとか,あまりに陳腐なトリック。これで長編を作るのは逆にすごいかもしれない。 トータルで見て,面白い要素はあまりない。こんなミステリもかつて存在したということを知るというくらいしか意味はなさそう。藤原宰太郎が書いた推理クイズの本は,子供のとき楽しく読んでいた。そういう人はそこそこいそうなので,藤原宰太郎がどんな長編を書いているか気になる人は,電子書籍で読んでもいいかも。 〇 サプライズ ★☆☆☆☆ どう考えても怪しい九十九幸雄が犯人でサプライズはない。驚ける要素はない。 〇 熱中度 ★★☆☆☆ 読者の興味を引くために,古今東西のミステリのうんちくを入れたり,瀬戸内海の旅情を入れたり,努力の跡はあるが,文体が古臭いこともあって,それほど熱中できない。 〇 インパクト ★★★☆☆ ハンググライダーを使ったアリバイトリック,CIがアラビア数字の99というダイイングメッセージ,線条痕をなくすために首なし死体にするという動機,ラジコンを使った物理的な密室のトリックと,推理クイズのようなトリック。ある意味,インパクトはあるがばかばかしい。 〇 読後感 ★★★☆☆ 非常に軽い小説であり,読後感が悪い要素はない。かといって,読後感がよいというわけでもなく…。単なる推理クイズ的な小説でしかない。 〇 キャラクター ★☆☆☆☆ 久我京介,西川明夫,山下洋子などの探偵側のスタッフや,九十九幸雄という犯人,小杉美代子,片平巡査などの脇役など,キャラクターはそれなりに登場するが,あまり魅力的でもない。ステレオタイプな平凡なキャラクターばかり。 〇 希少価値 ★★★☆☆ 電子書籍があるので,読むことはできる。紙ベースで再販されることはないだろう。そういった意味では,文庫版は希少価値があると言えるか。まぁ,読み継いでいく価値があるかというと疑問だが。 〇 トリックなどのメモ 〇 ダイイングメッセージ ⅠC Cはローマ数字で100。ICは99を表すので,九十九を指し示すダイイングメッセージ 〇 アリバイトリック ハンググライダーを利用 〇 首なし死体にした理由 頭を打った銃の線条痕を隠すため 〇 密室のトリック ラジコンを使って密室を作るという物理トリック 〇 犯人の決め手 犯人の九十九は,RHマイナスのAB型という特殊な血液型だった。蚊が吸った血から犯人がばれると思い,九十九が逃走した。 〇 探偵役 久我京介 推理トリック研究科。トリック百科事典を執筆中 〇 被害者 小杉章治 イラストレータ。かつて,久我が中学生向けのイラスト入りの推理クイズを連載していた時に挿絵を描いた。双子島で死体で見つかる。 村上邦彦 歴史教師。村上海賊の財宝を探していた。遺書を残して密室で死体で見つかる。 〇 犯人 九十九幸雄 瀬戸内日報の記者。
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