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赤人の諦観 集英社文庫
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赤人の諦観 集英社文庫

梅原猛【著】

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赤人の諦観 集英社文庫

726

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 1987/12/01
JAN 9784087492859

赤人の諦観

¥726

商品レビュー

3.5

2件のお客様レビュー

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2009/08/23

万葉集に登場する歌人の中でも聞き慣れた人の一人に挙げられるのが 本書でとりあげられた山部赤人ではないでしょうか。 赤人は叙景歌を得意とする「自然詩人」「叙景詩人」と呼ばれていますが、 著者はそれに疑問を持ちます。 着々と力を蓄えつつあった藤原氏の存在が無視出来なくなった頃、赤...

万葉集に登場する歌人の中でも聞き慣れた人の一人に挙げられるのが 本書でとりあげられた山部赤人ではないでしょうか。 赤人は叙景歌を得意とする「自然詩人」「叙景詩人」と呼ばれていますが、 著者はそれに疑問を持ちます。 着々と力を蓄えつつあった藤原氏の存在が無視出来なくなった頃、赤人が 彼らのことを歌わずに宮廷で用いられることは出来たでしょうか。 赤人はあからさまには賛美の歌を歌いません。 (其処が天皇を率直に賛美した柿本人麻呂と違う点だと著者は言います。) けれど、裏の意味を探れば確かに権力者を褒め称える歌なのです。 著者はこれを以て赤人を「宮廷詩人」と位置づけます。 また、天皇の行幸にお供して作った歌には、さりげなく自然を歌ったように 見せて、柿本人麻呂や軽皇子などへの鎮魂の歌も含まれます。 これもまた「宮廷詩人」と言われる所以であるとされます。 専門知識が無くてもまぁまぁ読める、興味深くて面白い一冊でした。

Posted by ブクログ

2008/12/18

梅原氏の著書は母が好きでそれなりに読んでおります。毎回毎回色々な新しいことを知ることができるので本当に面白いです。何と言うのか理詰めで筋道をの立ててくださるのでわかりやすいのと同時に数学の証明を見ているようで非常に気持ちが良いのです。 水底の歌の続編にあたる本だそうです。赤人...

梅原氏の著書は母が好きでそれなりに読んでおります。毎回毎回色々な新しいことを知ることができるので本当に面白いです。何と言うのか理詰めで筋道をの立ててくださるのでわかりやすいのと同時に数学の証明を見ているようで非常に気持ちが良いのです。 水底の歌の続編にあたる本だそうです。赤人って名前とまあ代表作くらいしか知らなかったですよ。それにしても万葉集も一度きちんと目を通してみたいなあ。出来れば昔の漢字で書かれた原本が載っている本を資料として欲しいな。(まあ読むことはできないですが…) それにしても藤原不比等は稀代の政治家だったんですねえ… 歴史の常識や定説と言ったものが実は今の(もしくは研究した学者の時代の)観念に基づいて判断されたり決定されたりすることの危うさと言うものをひしひしと感じます。昔から伝わることもあれば外国の文化の影響などで変わっていった事柄もたくさんあるのだと思います。 昔 民俗学を学んだ際、「その国の人間でなくてはわからないのではないか?」と言う言葉をぼんやり聞いたことを思い出しました。どんなに精通していても外国人にはその国の文化や雰囲気、背景が直観としてわからないのではないか、と言う意味だったと思うのです。同じことが古代にも言えるだろうなあ、と思いました。変わらないこともあれば今とまるで違うこともある。自分の今の感覚で物事を判断出来ないのだろうと。 面白かったです。次は黄泉の王を読もうと思っております。

Posted by ブクログ

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