商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 福武書店 |
発売年月日 | 1986/03/15 |
JAN | 9784828821863 |
- 書籍
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戦後文学のアルケオロジー
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戦後文学のアルケオロジー
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戦後文学について論じた著者の評論を収録しています。とりあげられているのは、武田泰淳、三島由紀夫、椎名麟三、梅崎春生、野間宏、大岡昇平、堀田善衛、中村真一郎、埴谷雄高です。 戦後文学にかんしては、平野謙が「政治と文学」という観点から大きな枠組みを設定し、江藤淳がそれを批判し、本多...
戦後文学について論じた著者の評論を収録しています。とりあげられているのは、武田泰淳、三島由紀夫、椎名麟三、梅崎春生、野間宏、大岡昇平、堀田善衛、中村真一郎、埴谷雄高です。 戦後文学にかんしては、平野謙が「政治と文学」という観点から大きな枠組みを設定し、江藤淳がそれを批判し、本多秋五がそれを擁護するという展開を見せましたが、著者は本書の最後に置かれた章で、戦後文学をそうした理念から解き放つことを宣言します。本論では、竹田泰淳における「言葉」、中村真一郎における「父」、埴谷雄高における「肉体」というテーマを掘り下げることで、「戦後文学」の生まれた精神史的土壌に共通するものが見て取られています。 戦後文学の担い手たちの眼前にあったのは、小林秀雄が観念の分厚い堆積をはねのけてそこへ沈潜することをめざした、なによりもたしかな「歴史」ではなく、たぐりよせようとすればプツンプツンとたやすく途切れてしまうような、ガラクタのような「時間」であり、彼らの文学はそうしたガラクタをかき集めることで紡ぎ出されたものだったということがいえるのではないかと思います。
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