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石の花 解放編(文庫版)(5) 解放編 講談社漫画文庫
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石の花 解放編(文庫版)(5) 解放編 講談社漫画文庫

坂口尚(著者)

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石の花 解放編(文庫版)(5) 解放編 講談社漫画文庫

641

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 1996/08/09
JAN 9784062602594

石の花 解放編(文庫版)(5)

¥641

商品レビュー

4.2

7件のお客様レビュー

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2024/12/14

収容所のあまりに酷い扱い。二重スパイ イヴァンの逮捕。最後のミルカとの悲しい出会い。終戦。何とか生き残った2人。あちこちに考えさせるような余韻を残しながらの完結編。良くこの地域、テーマを漫画にしたなあという作者や周囲の応援者への尊敬の念がやみません。

Posted by ブクログ

2022/07/17

2022.7.17市立図書館 1943年、戦況は厳しく、フィーが戻った強制収容所でも、クリロが属する部隊でも、ひもじく絶望が深まる中で、獣のような欲にまみれ、内輪もめも増えますます苦しくなる。現状に流される(合点=のみこむ、妥協する)多くの大人たち(野蛮で醜い人間)と、流されなが...

2022.7.17市立図書館 1943年、戦況は厳しく、フィーが戻った強制収容所でも、クリロが属する部隊でも、ひもじく絶望が深まる中で、獣のような欲にまみれ、内輪もめも増えますます苦しくなる。現状に流される(合点=のみこむ、妥協する)多くの大人たち(野蛮で醜い人間)と、流されながらも理想を思い葛藤する大人と、現状に苦しみ続ける子どもたち。1945年の解放後も苦悩は続き、いまも地球上のあちこちで同じようなことが繰り返されている無力感は大きい。 自由とは何か、戦争と平和とはなにか、常にクリロを気遣ってくれた農民ゲリラのリーダーブランコ、兄(従兄弟)イヴァンからクリロらへのメッセージをなんどもかみしめる。イザークとの友情を育みブランコの背中をみてきたクリロなら、きっとこの先もだいじょうぶだろうと思えるのが救いだろうか。 さすがに主人公たちは九死に一生以上の綱渡りで戦後をむかえたが、イヴァンをみとったミルカは、共産党員の戦士リジェは、靴磨きの少女ピッチは、ミントは、はたして生き延びたのだろうか。伍長どのは、イザークは、そしてフンベルバルディンク先生は? クリロがそうした人の幾人かとうれしい再会をする未来があってほしいと祈るのみ。 巻末には著者と小学校の同級生でこの作品の考証にも協力したというバルカン史の専門家柴宜弘氏(1年ほど前に亡くなっている)が解説にかえて作品の歴史的背景についてかいており、最後に筆者のエッセイ「なぜ漫画でユーゴを描いたのか」(新潮社「波」1988年10月号掲載)も。

Posted by ブクログ

2022/04/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

248pのクリロ。 もう一度たずねます……。 あなたの平和とはどんなイメージなのでしょうか!? (きみの描いている平和は非現実的だよ。幻想だ! 子供のような夢だ!) そうしてあなたも現実を肯定してしまうんですね。 合点してしまうんですね。 それこそ戦争を起こす原因(もと)なんだ! 真に平和な世界をだれ一人、だれ一人経験したこともないのに どうしてダメだといえるんです!? @ 石の花 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E3%81%AE%E8%8A%B1_(%E5%9D%82%E5%8F%A3%E5%B0%9A%E3%81%AE%E6%BC%AB%E7%94%BB) 2022年2月に新版が刊行されたことで初めて知った作家・作品。 (おそらく世界情勢と偶然に連動してしまった新版を)買おうかどうか迷っていたところ、文庫を見つけたので手を伸ばしてみた。 浦沢直樹いわく、「手塚治虫と大友克洋をつなぐミッシングリンク」。 「石の花」の連載が、1983-1986。 「AKIRA」の連載が、1983-1993。映画は1988。 手塚が大友に「僕は君の絵なら描ける。僕が唯一描けないのは諸星大二郎の絵だけだ」と言ったという都市伝説があるが、 坂口尚は虫プロのアニメ班で手塚の下で働き、かつ強く意見もした人なんだとか。 こりゃ凄い人を知った。 「坂口尚オフィシャルサイト 午后の風」を参考に調べていきたい作家だ。 まずは絵柄。 そして大友が引き合いに出されるのもむべなるかな、カメラワークの凄み。 しかし、個人的には「言葉の重さ」に惹かれ、「言葉の作家」だと感じた。 他備忘録。 ・1918年に成立したユーゴスラビアと呼ばれた「国家」は、7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字を持っていた。絡み合っては分断を起こした結果、1991-2001の紛争で解体。国が解体するってどう想像すりゃいいの。その源泉を本書から学べる。 ・島田荘司の「リベルタスの寓話」の舞台が、ボスニア・ヘルツェゴビナ。「クロアチア人の手」。 ・米澤穂信の「さよなら妖精」にも関連。 ・わが生涯ベスト級、楠見朋彦「零歳の詩人」も旧ユーゴ内戦を描いている。確か作中で「もうユーゴスロヴァキアなんて呼ばせないからな」というフレーズがあったが、そう混同してしまいがちな者として、本書も参考にしつつ、慎重に想像を深めていきたい。 ・wikipediaによれば、米原万里による本書の布教が、当時の天皇につながった、とか。 ・ゲリラとパルチザンってどう違うの? と前々から気になっていたが、ざっくり、不正規戦闘員はゲリラ、歴史の中で特定の抵抗組織をパルチザン、と。この漫画でリアルに感じた。 ・ナチス……皆川博子の諸作……本書でマイスナー中佐がピアノを弾くシーンから、五木寛之の「青年は荒野をめざす」を連想。 ・「石の花」というタイトルについて。すごく既視感があった。検索してみて、プロコフィエフのバレエ「石の花の物語」と知り、いやバレエは知らんな、と。evernoteでヒットしたのは「書物の王国6鉱物」に収められた、日野啓三「石の花」。うーんちょっと違う。東雅夫・選「幻想小説神髄―世界幻想文学大全」に収められたノヴァーリス「ザイスの学徒」が目に入る。うーん「青い花」の作者だから連想したのかな。などとチラチラ探していたところ、あ、これだ! と気づいたのが、「書物の王国6鉱物」収録の、パーヴェル・ペトローヴィチ・バジョーフ「山の親方」! これを原作にしてプロコフィエフがバレエを作ったんだとか。もとのバジョーフは、ウラル地方の民話を採集して「孔雀石の小箱」として出版した、さらにソ連初めてのカラー映画「石の花」の原作にもなったんだとか。

Posted by ブクログ

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