前巻までに、魔竜王ガーヴ、冥王フィブリゾと戦い、超常的な死線をくぐり抜けてきたリナたち。第9巻では、新しい章に突入し、第2部がスタートしました。

フィブリゾによってガウリイの使う光の剣ゴルンノヴァは異界へと消えてしまいました。魔族と戦う力がほとんどなくなり、使えないクラゲになりさがってしまったガウリイのため、新たな剣を探すことに。数々のにせもの情報にとほほしながら各地を観光し(おいしいご飯を食べ)つつ、ベゼルドの近くの洞窟に伝説の剣があることを突き止めるのでした。

ミリーナとルークの登場で、物語完結へと大きくかじを切りはじめた重要な巻になっています。アニメの『スレイヤーズ』にはないストーリーがはじまるのも第9巻からです。

『スレイヤーズ』は名作です。読んだことのないあなたは人生の彩りとして、読んだことのあるあなたも懐かしさを噛み締めながら、圧倒的なファンタジー世界をご堪能ください。

卑しく下等な存在である人間の前に、ついに御身をあらわし、支配を喜びへと昇華しようと、アインズ様が降臨なされた第9巻です。

帝国と王国の戦端が開かれ、ナザリックの神にも等しい軍事力を利用しようと皇帝は地下大墳墓を訪れます。最初は威圧的な態度だった皇帝は、アインズの力が触れてはいけないものだったと気がつき、絶望を心に刻むことになるのでした。帝国に力を貸したアインズは、王国を一方的に蹂躙し虐殺のかぎりをつくし、人間へ根源の恐怖を植えつけます。

これまでの巻が種まきや根回しの展開だったのに対して、第9巻はいよいよ刈り取りの工程に入ります。何もできずに絶望とともに首を差し出す人間を前に、アインズ様の愉悦がかいま見えます。

最強の主人公の力を遺憾なく発揮して、大暴虐の嵐が吹き荒れます。胸のすくような展開が重厚なストーリーとともにつづられ、賢しい人間であるあなたの心をつかみます。

神聖エルダント帝国での騒動も一段落して、第9巻では異世界から日本へヒロインたちを招待するお話です。

ハーフエルフのミュセルと獣人のエルビアを連れて、慎一は日本へ一時帰宅することに。そんなおもしろそうなことにペトラルカが首を突っ込まないわけがなく、美少女3人とともに慎一の自宅や秋葉原を観光します。一方、超人サッカー動画の流出などから日本側の不審な動向をさぐっている諸外国は、秘密裏に行動を開始していました。

ハーレムデートやツンツンの妹を描いた話から、外交がらみのきな臭いアクシデントへとストーリーが転換していく物語です。ちなみにドラマCD付きも発売されていて、そちらはペトラルカの私服姿がかわいい表紙になっています。

キャラクターのかわいさもさることながら、作品世界のつくり込みにも手を抜いていないライトノベルです。上下巻構成になっているので、気になるかたは第10巻もごいっしょに！

魔大陸からの帰還後、元気がなくなって荒れていた主人公が、ついに復活する第9巻です。

危険と隣り合わせだった魔大陸と大森林を抜け、なんとかフィットア領へと戻ってきたルーデウスたち。しかしそこに相棒エリスの姿はなかった。意気消沈して心がすさんでいたルーデウスでしたが、魔法大学へと入学し、フィッツ先輩に癒やされる日々がつづいていました。そんなある日、どうやらフィッツ先輩は何か隠し事をしていることがわかり……。

これまでの思いが爆発する巻でもあり、主人公にとって大きな衝撃を受ける物語になっています。長かった主人公の苦悩の日々がついに終わりをむかえ、希望へと光がさしました。

他のWeb小説の追随を許さない人気を誇り、究極の異世界転生ものとして、王者に君臨しつづける傑作です。人生をやり直したい、しかも魔法の世界で。そんなあなたに力の限りおすすめします。

バスケットボールを通じて、波乱を乗り越えながら、女子小学生の成長を見守ります。第9巻は元気いっぱいの自由人、三沢真帆が活躍します。

京都に修学旅行へむかった慧心学園の6年生たち。同じ頃、神がかり的に商店街のくじ引きでペア旅行券を手に入れた葵と昴も京都へ行くことに。思い人との2人旅行に挙動不審で爆発寸前の葵はさておき、小学生チームと同じホテルに泊まることになった昴は、ひなたちゃんのパンツミッションに挑みます。一方、真帆が怪しい人物に誘拐されそうになり……。

真帆に、昴に対する心の変化が生まれる重要な巻です。ここまでフラグを立てまくってきた昴が、『源氏物語』を題材にヒロインズに取り囲まれるシーンも必見です。

小学生、バスケ、そしてスポ根！　少女たちに振り回されながらも、着実に成長していく姿が、読んだあなたの胸を熱くします。

第9巻『涼宮ハルヒの分裂』は、4年後に発売となった『驚愕』の前編にあたる物語です。ハルヒたちが高校2年生になり、新たなトラブルに巻き込まれていくことに。

春になり、無事進級したSOS団のメンバー。見たこともないような笑顔で団員募集をする涼宮ハルヒでしたが、その精神状態は不安定になってしまっていました。古泉はハルヒが生み出す神人と連日戦って疲弊中です。中学時代にキョンと親しかった「佐々木」の存在がハルヒを不安定にしているらしいのですが……。

新たな季節、新たな登場人物、そして、後半にはまさに『分裂』のギミックが組み込まれており、読者の続巻への期待が高まった巻でした。

『ハルヒ』といえば、考えぬかれた伏線の多さと、これらを推測していくたのしみが魅力のひとつです。『分裂』は、これまでの話を踏まえて、読者に鮮烈な読書体験を与えてくれる巻になっています。

魔術組織との熾烈な戦いが終わり、新しい戦いの幕があがる前章となる第9巻です。「大覇星祭」をメインに、一般客を招いた大運動会がはじまります。

「大覇星祭」、それは学園都市の全学校の生徒180万人が参加し、7日間にわたって繰り広げられる体育祭です。異能力を持つ生徒たちは、各競技でその能力をおおいに使って健闘します。棒倒しでは火炎が飛び交い、学園対抗玉入れでは弾が飛び交います。そんななか上条当麻は不穏な情報をつかみ、解決へと奔走します。

御坂美琴がデレまくってかわいいことになっている第9巻です。暗躍するローマ正教と接触するために、当麻と土御門が奮闘します。普通とは違った体育祭の競技がたのしめるのもポイントです。

登場人物の多い『禁書目録』ですが、個性があふれているためすぐに思い出せるのが特徴です。第9巻は第10巻とストーリー上セットになっていますので、ぜひいっしょに読み進めてみてください。

物語も終盤へと差し掛かってきた第9巻。黒猫騒動が一旦の決着を見せ、これまでの話を踏まえた短編集的1冊になっています。

世界一可愛い俺の妹こと赤城瀬菜ちゃんの魅力を、兄の赤城浩平が存分に語りつくす『俺の妹がこんなに可愛い』。沙織がおたくオフ会を開催するに思いいたった経緯や、仲間を大切に思う気持ちを描いた『カメレオンドーター』。京介を意識しないようにするがために意識してしまうあやせの『過ちのダークエンジェル』。ほか短編を収録。

表紙の桐乃のウエディングドレス姿がまぶしいです。今巻『妹のウエディングドレス』から、2人のただならぬ仲の良さに、頬がゆるみっぱなしになります。

第10巻からはいよいよ怒涛の桐乃展開です。箸休め的な第9巻でしたが、『俺妹』の世界を深くするのにふさわしいエピソードがつづられています。妹を愛するすべてのひとに全力でおすすめするラノベです。

3年生の卒業で厳かなうちに終わった前巻から少し経ち、志摩子と乃梨子の出会いを描いた第9巻です。また、のちに重要人物となる松平瞳子が初登場しました。

無類の仏像好きの乃梨子は、お寺の娘でありながらシスターをこころざす志摩子に共感を覚え、次第に親しくなっていきます。2年生ながらにロサ・キネンシスをつとめる志摩子は1年生たちにも憧れの眼差しをむけられていて、そんな志摩子と親しい乃梨子は妬まれるようになってしまいます。そんなある日、乃梨子は志摩子から渡された数珠をなくしてしまうのでした。

今巻は、同じエピソードを別視点から2回描いているのが特徴です。1回めは志摩子と乃梨子視点、2回めは祐巳視点になっています。読み終わってから、もう一度目を通したくなる1冊です。

ファンの間でもトップクラスの人気をほこる志摩子と乃梨子。春に桜の木の下で出会った2人の物語をおたのしみください。