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サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2019/05/09 |
JAN | 9784167912895 |
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8件のお客様レビュー
メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1785975843963228537?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw
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企業だけでなくあらゆる組織が大きくなるにつれて、組織間の交流が減り、日本語でいうところの「タコつぼ」(英語ではサイロ)が構築されていきます。これは高度に分業・専門職化が進んだ現代社会では避けられない事象ですが、サイロがあまりに強固すぎるとチャンスやリスクを見逃し、場合によっては組...
企業だけでなくあらゆる組織が大きくなるにつれて、組織間の交流が減り、日本語でいうところの「タコつぼ」(英語ではサイロ)が構築されていきます。これは高度に分業・専門職化が進んだ現代社会では避けられない事象ですが、サイロがあまりに強固すぎるとチャンスやリスクを見逃し、場合によっては組織の存亡を揺るがすような事態に陥ることがあるわけです。本書では、サイロが弊害をもたらした事例として、ソニー、UBS、世界金融危機時の経済学者を第1部で紹介し、第2部では、サイロの弊害をいかに克服するかという「サイロバスターズ」の事例として、シカゴ警察、フェイスブック、クリーブランド・クリニックをとりあげ、さらに他社のサイロから儲けを得ているブルーマウンテン・キャピタルが紹介されています。日本人読者からすれば、ソニーがデジタル音楽プレイヤーでアップルに惨敗した例はとてもわかりやすいのではないでしょうか。本書ではソニーでCEOを勤めたストリンガー氏のコメントも掲載されているなど、この章だけでも興味深く読めました。 著者は人類学というバックグラウンドを持ちながらフィナンシャルタイムズの編集長をつとめている人ですが、翻訳の質の高さもあって、非常に読みやすい文章でした。また事例もそれぞれ興味深く、シカゴ警察の「殺人予報マップ」作成の話や、クリーブランド・クリニックが外科と内科の壁を取り払ったことなどは、サイロに関係なく衝撃的な読み物でした。サイロは近代社会では絶対生まれるが、サイロの弊害に気をつけよ、そのためには本書でも紹介されている稀代の人類学者兼社会学者であるピエール・プルデューのような「インサイダー兼アウトサイダー的視点」を持った人が各組織に存在している必要がある(全員がそうなる必要はないが)、という終章の主張も大いに共感できました。非常に面白い本でした。
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