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過去を殺した女 創元推理文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2016/06/24 |
JAN | 9784488157050 |
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過去を殺した女
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商品レビュー
3.7
3件のお客様レビュー
デンマークのミステリ。 新聞記者ディクテ・スヴェンスンのシリーズ2作目。 内容がぐっと重くなり、ライトなミステリではなくなっていました。 ディクテの隣家で留守中に火事が発生、飛び起きたディクテは馬小屋から馬を助け出すのに奮闘します。 この夜、実は別に事件も起きていました。 1...
デンマークのミステリ。 新聞記者ディクテ・スヴェンスンのシリーズ2作目。 内容がぐっと重くなり、ライトなミステリではなくなっていました。 ディクテの隣家で留守中に火事が発生、飛び起きたディクテは馬小屋から馬を助け出すのに奮闘します。 この夜、実は別に事件も起きていました。 1作目の事件解決に寄与したディクテは、一躍、有名人になっています。そのおかげで、プライバシーを暴かれるという羽目に。 事件を担当した警官のジョン・ガードナーの視点からも描かれます。 ディクテはガードナーにコネがあると思われていますが、ないこともないけど、壁もあるという(笑) アラフォーでバツイチのディクテは、動物好きでなかなか感じのいい女性ですが~何かと振り回され気味? カメラマンで年下の恋人ボーとの付き合いは、波乱含みで、ごたごたと慌ただしい。 離婚の傷もまだ癒えないうちに、娘のローセは年頃になって恋人が出来、早くも彼と暮らすことを考えています。 子離れしなくては思いつつ、寂しさに悩むディクテ。 実は彼女も10代で家を出ていて、それには深刻ないきさつがあったのですが‥ 身近な人達との微妙な緊張やすれ違いが細やかに描かれていて、とてもリアル。 ディクテが、何だか酷い目に遭い過ぎな気もしてきますが。 いや、隣人のほうが辛いか‥ ミステリとしては一番重いタイプというほどではなく、北欧ミステリとしては普通かも? 日常感覚がありあり描かれているため、普通の人が巻き込まれるにしては酷、という感じになるのでは。 いやこれは、かなり筆力あるってことですよ! 親友がディクテを語るあたり、ちょっと深いです。 主人公たちの成長も描いていく、このシリーズ。 あちらではもう9作出ているとのこと、翻訳発行をお待ちしてます☆
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エルスベツ・イーホルム。デンマークの作家である。 色々あって、今がある人、特に女性を描くのがうまい。 1巻目でも、その「色々あって」はじっくり書いていた。しかもディクテをはじめとする女性3人分。いや、刑事ワーグナーを入れれば4人分か。よって、話がなかなか進まなかった。 それが...
エルスベツ・イーホルム。デンマークの作家である。 色々あって、今がある人、特に女性を描くのがうまい。 1巻目でも、その「色々あって」はじっくり書いていた。しかもディクテをはじめとする女性3人分。いや、刑事ワーグナーを入れれば4人分か。よって、話がなかなか進まなかった。 それが、2巻目のこちらでは、ヒロインを一人ディクテに絞っている。すばらしく読みやすくなった。 じっくり描いているのだが、じめじめはしていない。 悲しみを描くにも、怒りを描くにも、程よくユーモアを添加して、しかもそのあんばいがうまいので、うまく読ませるものとなっている。 「わたしは正しい。正しいは高くつく」 「いろいろあって」生きてきた人物の実感が、真実の格言として沁みる。読み手の状況によって、沁みる言葉は違うだろう。言葉がうまいなあと唸る。これは1巻と同じ。 出版年は2004年。その頃だったろうか。 欧米では、先進国では、人権の国では、ではではでは、加害者に寄り添うのが素晴らしいことのように喧伝されていた。 「犯罪者なんていません。この出来事は、彼の悲痛な叫びなのです」と断じる風潮があった。 それは犯人も色々あって、犯罪に走ったことだろうけれど。同じ色々あった人が皆、罪を犯すわけではない。 叫びというならば、被害者の叫びにこそ耳を貸すべきではないのか。 「見習うべき」人権の国、北欧の国では、皆、加害者の声にのみ耳を傾けているのかと、「喧伝」を目や耳にするたびに、こみ上げる怒りがあった。 けれども、違っていたらしい。 北欧の国デンマークにも、ディクテや、ジョン・ワーグナー、そして作者のように、その風潮に憤りを覚える人はけっこう居たものと見える。でなければ、人気シリーズになりえないだろう。 子育てについても、「親の愛情神話」に否と述べている。 親の愛情こそが、全ての犯罪を防止するという意見。 そこまで親に負担をかけたら、親がかわいそうではないかと思う。 デンマークでは人気らしく、ドラマにもなっている。 2012年からはじまって、2016年まで続いたらしい。 主人公ディクテが、私の想像よりきりっと美人で驚いた。 どうにか見てみたい。 そして、次巻以降を楽しみにしている。
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今回、別読書サイトではじめて献本が届き、とても嬉しく思った。読みかけの本を急いで読み、今月読む予定を変更して読み始めた。 はじめて読む作家さんの本ではあるけれど、ミステリーだから大丈夫だろうと気楽に読み始めた。 とんでもなかった。 内容が酷いということではなく、読むことが辛い...
今回、別読書サイトではじめて献本が届き、とても嬉しく思った。読みかけの本を急いで読み、今月読む予定を変更して読み始めた。 はじめて読む作家さんの本ではあるけれど、ミステリーだから大丈夫だろうと気楽に読み始めた。 とんでもなかった。 内容が酷いということではなく、読むことが辛いのだ。 普段なら二日くらいで大抵一冊読むのに、どうしても数十ページを読むことしか出来ない。 本を読むことを仕事としているわけでもなんでもないので、読みにくいと数日かかることはある。それでも、献本書評の期限という日にちを過ぎても読み終えることが出来ない。 今月、今までに読んだのはこの一冊。こんなにかかったことはない(そこまで読みにくければリタイアしているだろうし)。 辛い読書だった。 この書評を読まれたかたのために、この作品を書かれた作家さんの名誉のためにももう一度書く。 内容は酷くない。 きちんとミステリーとして読ませる作品だった。 多分、わたしにはリアルすぎたのだ。だから辛くて読み進められなかった。 記者ディクテの隣家の厩舎が火事になった同じ夜、学校が放火される。 そして、隣家にいた女性の惨殺死体が発見される。彼女は放火された学校の教師でもあった。 この事件の謎を主人公ディクテ、刑事ワーグナーを中心に解明していく。 ミステリーなら、特段珍しくもない設定だ。 ディクテの家庭環境、母親との確執、手放した子供、離婚を経験したのちの恋人との生活、こういった主人公の背景に、全く同じではないところもあるが、わたしには辛い部分があり、なかなか読めなかった。主人公の苦しみが痛々しくてならない。 また、被害者家族の抱える父親による虐待、外聞と信仰のために子供を救えず抑圧する母親といった内容も、身近にいる親しいひとの生活に重なった。 そのため、こんなに読むことが辛いことがあるだろうかと、丸一日本を手に取れないこともあった。 今回、この本ははじめての献本であるためになんとしても読みたい、そう思いなんとか読み終えた。 書評が遅れたことをどこに謝罪したら良いのかわからず、言い訳と謝罪の混在した書評らしからぬ文章になってしまったことを、この文章を読まれたかたにもお詫びしたい。 過去のことであっても、自分なりに落とし所を見つけたと思ったことでも、思わぬ形で生々しく甦ることがあるということを実感出来た良い機会だった。 今回の読書で無理に良かったことを挙げるのなら、こうなる。 主人公の心象描写、事件と解決への運び方など、きっと多くの読者のかたは面白く読める作品だろうと思う。 北欧が舞台で、一時北欧ミステリーブームもあり、この本も多くの読者を楽しませると思う。 北欧ならではの社会の仕組みというかお国柄というか、日本人にはすんなり納得しづらい描写が北欧ミステリーにはあるように感じたことがあり、今回も少しそれは感じた。 はじめての献本書評であるのに、ろくに作品自体の良し悪しが述べられず申し訳ない。 どうぞ、この感想はあるひとりの人間のものとして、多くのかたが読んでみてはと思う。
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