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2015/05/19

圧倒的な中身とコミックを超えた装丁

知る人ぞ知る、とはいえ破格の存在感を放つ作者から初の単行本が出るとなればそれだけでエポックメイキングとも言えるが、こと本作に限っては入手の前に1つの思いを巡らせる御仁も少なくないのではなかろうか。 果たして内容が見合っているのだろうか? CD1枚分に匹敵するだけの価値はあ...

知る人ぞ知る、とはいえ破格の存在感を放つ作者から初の単行本が出るとなればそれだけでエポックメイキングとも言えるが、こと本作に限っては入手の前に1つの思いを巡らせる御仁も少なくないのではなかろうか。 果たして内容が見合っているのだろうか? CD1枚分に匹敵するだけの価値はあるのだろうか? その答えは、少なくとも自分にとっては「YES」である。 そして、入手してからも変わることはなかったと申し上げる。 唯一気になるとすれば後日フツーの形式による【通常版】なるものが出てくるか否かであるが、これについては気にしないことにする。 成年コミックと区分されはするが大判サイズ……これ自体はこれまでも存在したが、表紙カバーを外すとまるで画集のごとき立派な装丁の本体が出てくる。ずっしりとした重量感も含めてコミックの域を超えた書物である。ただし、カバーを裏返す、いわゆる「白表紙」はできないので保管には要注意。ありがたい(?)ことにカバー裏にも(カラーではないが)ど~んと描かれているからである。書店で入れてもらうビニール袋、もしくは届けられる際の段ボールなどが重要になる局面かもしれない。しかし、これによりむしろ一般書よりも埃や日焼けなどからは守られ、却って丁重に保管される結果を招くことから、その意味では最もキケンにして最も大事に扱われる愛蔵版となる可能性を秘めたことにもなろう。 さて、肝心の中身だが、これはもう……美麗、秀麗、妖麗……麗しいという表現がこれほど相応しいこともないだろうという圧倒的な作画力の前には感嘆の吐息を漏らす他なく、その麗しい美しさを追求して1コマたりとも手抜きをするまいとの意思を感じさせる精緻かつ丁寧なタッチには畏敬の念さえ抱いてしまうほど。実際のところは10頁、8頁、6頁、中には4頁といった小品ばかりの物足りなさはあるものの、限られた頁にしてはストーリーも概ね描かれており、設定やシチュエーションの良さもあって興奮は充分に誘われる。SFや西洋風があれば日常的な世界もあり、捕らわれての調教からショタコン気味な甘い話まで千差万別なテイストは方向性に欠けると言うよりも作者の描きたいヒロイン(とコスチュームなど)が先にあってから描かれている印象もあって、これはもう「織田non」ブランドのなせる技と言うしかないのかもしれない。 こうした全16編に加えて過去の掲載誌を飾った表紙や、その流れで描かれた1頁のショート漫画がセットで巻末に多数収録される豪華な「おまけ」も見るにつけ本作はやはり画集でもあるのだと実感させられる。出版社の意気込みも感じずにはいられない装丁の本気度も含めて世にも稀な超絶の「ヌける画集」が誕生したことを祝福したい。

DSK

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