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2015/01/08

全てを乗り越えた2人が辿り着いた相姦の神髄

前巻が『いかにして母は女を解放したか』とタイトルのみで続巻の気配が見られなかったことにより「後半は単行本化されるのだろうか」と思っていたが杞憂に終わって何よりである。いよいよ母子相姦へと至るクライマックスと、思いのほか纏まり良く収まって溜飲の下がる結末を見ることができた。 ...

前巻が『いかにして母は女を解放したか』とタイトルのみで続巻の気配が見られなかったことにより「後半は単行本化されるのだろうか」と思っていたが杞憂に終わって何よりである。いよいよ母子相姦へと至るクライマックスと、思いのほか纏まり良く収まって溜飲の下がる結末を見ることができた。 春香:「母」を解放して「女」になってから再び息子の元へ「母にして女」として帰ってくる。 静也:春香の息子が発する心の叫びは母子相姦の本質を伝えるものでもある。 【第9話】 前巻のクライマックスにして物語全体の折り返しでもあった前話であれほど危機的に演出されていた「危険日の中出し」がまるで何事も無かったかのように次の場面へと移っているのは「?」だが、新たに登場した教育係の女性によって官能的には本巻随一の責められ方で悶絶ここに極まる春香である。この教育係の女性は別の形で後にも登場する。 【第10話】 事の次第を知ってしまい自暴自棄になった静也との相姦、その序章が第10話の後半から始まる。母を求める静也の言動は哀しみを湛えた自問でもある。 【第11話】 風呂場から寝室、翌朝のキッチンへと続く静也の執拗な押しに戸惑う春香。母子の心がすれ違うところに助け舟が現れる。 【第12話】 ここから絡まり合った状況の是正が行われ、終わりに向けて動き出す。 【第13話】 いや、それは犯罪でしょ、といった春香の行動だが「母」としての最後の意地ということか。そして、ここから相姦のクライマックスが始まる。涙ながらに呟く静也の台詞は母子相姦の真意そのものであり、第10話から続く自問への自答でもある。そのストレートな想いに全てを悟った春香も再び「女」を解放する。 【第14話】 全てを乗り越えた2人の情交が延々と続く。春香がこれまで味わってきた性技と快感が全て凝縮されたかのようなシーンの連続は、それまでの男の存在を静也という「新たな男」によって塗り替えられるようでもある。 【最終話】 夜通し続いた激しい情交は朝を迎えて第2ラウンド。お尻まで責められる春香だが、再び前に挿入するならきちんと洗ってからにしようネ、などといったツッコミもしたくなるところ。ここから一気に全てが収まる結末へと向かうが、そこにあるのは外道にも残っていた良心なのか、外道にも戻ってくるべき「母」が戻ってきたからなのか。 正直なところ、そんなにことが上手く運ぶだろうか?といった都合の良さも無いではないが、性根の腐り切った真の悪者はいないとの作者のメッセージにも感じ取れる幕の引き方は悪くなかったと思う。前巻で広げた風呂敷を徐々に畳んでいく展開でもあったために道筋も整理されて読み易かったのも好材料。もっとも、この悪夢を仕掛けた少年(桐野)の手の平に最後まで乗っていたように見ることもできるのだが、そんな桐野“悪魔”少年が誕生してしまう秘話は後のエピソードで描かれる。 <After Story> 平穏な相姦生活を続ける春香と静也の3年後が描かれている。成長した静也はもちろんのこと、凄味すら感じさせる妖艶さが増した春香のしっとりとした色気を描き分けているのは秀逸なところ。どうしても必要なエピソードではないが、あると2人の幸せなその後を知ることができて良い。 <Episode 0> 前編・後編 前日譚として、今回の顛末の張本人だった桐野少年の過去が前後編として描かれる。桐野の歪み切っていた心は自発的なものではなかったことが判ると共に、同じく「母」が「女」を解放して(実際は解放させられて)戻ってこなかった場合の悲劇が描かれている。本編を読み終えた後だけに深みも増すエピソードである。

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