ますます磨きのかかった美麗＆可愛い作画と琴線に触れる官能要素の充実振りが半端無いことになっている素晴らしい出来映え。まさに成年コミックと言える作者の通算３作目である。 ・舞FAVORITE （全５話＋後日談） 内容的には後日談まで含めて完結する愛と肉欲のハーレム物語と言ってよかろう表題作。跡取り主人公に「専属メイド」を決める展開が実にナイス。メインヒロインが喰われそうなほど多彩な顔触れで賑やかなサブヒロイン達の混沌を避ける意味合いもあったであろう、メイドを『家政部』と『接待部』に分けるアイデアが官能的にも素晴らし過ぎるが、これでも主人公争奪戦が混沌とする充実振りである。時に主人公以外の男達が出てくる場面もあるが、これらとの関わりはサブヒロインや夢展開に請け負わせてメインヒロインに疵がつかないよう絶妙な配慮がなされている（肩入れするキャラによっては逆の印象になるが）。巨乳から貧乳ロリまで網羅したメイド達がそれぞれ思惑を持ちながらも主人公に惹かれていきつつメインヒロインとの愛情が育まれる展開に胸キュンと興奮が入り交じった素晴らしさがある。あと、読みながらリーダー格の乳眼鏡っ娘メイドにも出番があればなぁと思っていたが、これが後日談で見事に叶う素晴らしさの上乗せもあった。 ・真・婚・性・活 家族が１週間不在なのをいいことに空閨を満たそうと婉曲的な言葉で仕掛けて義弟に迫らせる兄嫁の小悪魔っぷりが実に可愛らしい。この１週間が交わり三昧になるのは言うまでもなく、そして淫猥極まりない。心と体を使い分ける振る舞いをタイトルで表したのならば、なんてしたたかな兄嫁なのだろうと舌を巻いてしまう。 ・キミに陽性反応 「検尿」ならぬ「検精」などという設定を考えつく特異な歪み具合が実に作者らしい作品。保険教諭の二宮先生が名前こそ頻繁に出ながら、その姿がチラ見せ程度しかなくて勿体なかったが、保健委員のヒロインが秘めた想いを込めて主人公（とそのムスコ）に近づいていく愛らしさがあった。ただし、保健委員のお仕事とはいえヒロインが主人公以外のクラスメイトにも“ご奉仕”するところでは好みが分かれるかもしれない。 ・キミに陽性反応～日曜日編～（描き下ろし） 先の話の最後を受けての後日談。日曜日の１日だけでも交わり三昧に展開させる作者が素敵過ぎる。ヒロインへの想いが募る主人公と、保健委員での“お仕事”を終えて主人公専用になろうというヒロインの想いが交錯する胸キュン結末が清々しい。 あとがきにまで『真・婚・性・活』の後日談的一コマを挿むサービス精神に感服。各話のタイトルもよく的を射ており、もぅ、いやらし過ぎる！と唸ってしまう秀逸な官能描写がてんこ盛りな１冊である。ただ、現時点では本作以降、作品が途絶えている点が気掛かり。