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発展途上な作画を補って余りある愛情とストーリー
【夏カゼにご用心】 歳の近い実姉弟 【僕らが恋人になったわけ】 少し歳の離れた実姉弟 この2作は、実の姉弟という共通項ながら全く正反対の様相を呈している。姉弟の髪色から最初のアクション、話の展開にお互いの気持ちを知った後の姉の言動まで正反対ながら結末は同じである。作者の力...
【夏カゼにご用心】 歳の近い実姉弟 【僕らが恋人になったわけ】 少し歳の離れた実姉弟 この2作は、実の姉弟という共通項ながら全く正反対の様相を呈している。姉弟の髪色から最初のアクション、話の展開にお互いの気持ちを知った後の姉の言動まで正反対ながら結末は同じである。作者の力量が推し量れる。 【きんぎんすなご】 近所のお姉さん 【雨宿りは先生と】 新任らしい世界史の先生 【メートク、風邪をひく。】 大学時代の先輩 【みこと研究室】 【みこと研究室-お目覚め編-】 大学院研究室の先輩 【なつ、ときどき】 腐れ縁的付き合いの女性 【私は海を抱きしめていたい】 同棲相手 【コバルト】 田舎にやって来た画家志望(?)の女性 美麗な表紙に比べて稚拙に見える中身の作画だが、確かに現時点で発展途上なのは否めない。主要人物以外のところで雑な面も見受けられる。しかし、これはむしろ「色が付くとこうも化けるか」と見た方が良いように思った。情交描写はもっと精進して欲しいが、それでも所々で「おっ」と思わせるアングルで見せてくれる。割とすぐに達してしまう主人公だが、すぐにまた昂ぶってきての抜かずの2連発3連発で新味のあるいやらしさを表現している。お互いに想い合う優しい愛情の溢れた雰囲気が実に好ましく、繊細な感情の機微を描くストーリーや、細い線で描かれた作画も含めて全体的には「甘い愛情路線の Cuvie 作品」に似ている。そして【雨宿りは先生と】の後日談として2人の情交を入れながら、本作に登場した全カップルの“その後”をたった11頁で纏めた書き下ろしの【エピローグ~春の雨宿り~】を見た時に「この作者、もしかしたら物凄い潜在能力があるかも」と思った。伸びしろのある画風と既にハイレベルなストーリーが噛み合ったら、と思うと今後が楽しみである。
DSK