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わが零戦の栄光と悲劇 だいわ文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 大和書房/ |
発売年月日 | 2007/08/10 |
JAN | 9784479301226 |
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わが零戦の栄光と悲劇
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この文庫本を40年間待っていた。 この本の元本は41年前に出版された。確か少年少女世界名作全集とかの一冊だったと思う。「少年」であった私は学校の図書室で何日も通いつめて貪る様に読んだ。生まれて初めて、夢中で読んだ書物であった。 大人になって、元本の更に元本、いうなれ...
この文庫本を40年間待っていた。 この本の元本は41年前に出版された。確か少年少女世界名作全集とかの一冊だったと思う。「少年」であった私は学校の図書室で何日も通いつめて貪る様に読んだ。生まれて初めて、夢中で読んだ書物であった。 大人になって、元本の更に元本、いうなれば元々本は『大空のサムライ』という大冊で、英仏伊、フィンランドなどの各国語に訳された世界的ベストセラーであることを知った。 どうしてこんなにも引き込まれる文章なのか、理由が知りたくて、近所の図書館から借り出して再読したこともあった。その子供向けの本は古びてボロボロになっていた。一読すれば、やはり一瞬にして自ら操縦かんを握り旋回している気になってしまう。 開戦初頭、零戦は無敵の快進撃。著者も200回以上出撃し60機以上の敵を撃墜した。だが、ガダルカナルで片目を失う重傷を負い瀕死で千キロ飛行の末、ラバウルに帰還。終戦間際には硫黄島上空で片目で空中戦を戦う。もはや零戦の優位はなく悲惨な戦いを強いられる。 開戦前夜から終戦まで一貫して戦闘機乗りであり続けた筆者の自伝は、まさに『零戦の栄光と悲劇』の戦史であり、日本軍の栄光とみじめな悲劇そのものでもある 話は飛ぶが、7年前の夏休みはにニュージーランド北島に旅行した。 オークランド市立博物館を訪ねると、立派な戦争記念展示室がある。連合国側と日独伊側どちらにも偏らない公平中立な展示方法に驚いた。欧米にはあり得ないこの国の人々の理性的な歴史観に深く感銘を受けた。 展示室の一番奥に進んだ時、大きな銀色に光るモノが目に飛び込んできて、息を呑んだ。 完全に無傷で、ぴかぴかに輝く零戦だった。レプリカではない本物である。海中からこの状態で引き上げられたものだという。 よくよく見ると、その丸っこい機体はスバル360か旧型マーチのように薄っぺらでぺなぺなだ。押せばポコッと凹むに違いない。 よくぞこんな華奢な機体で太平洋の東の果て、南の果てまで飛び続けたものだ。一発でも敵弾が当たればひとたまりもなかったという零戦の『悲劇』もよく判る。こんなブリキの玩具みたいなものでまったく。本当に戦争とは愚かしいこと以外の何ものでもない。そんな思いがこみ上げてきて抑えることが出来できなかった。 8月15日に出版されたこの本を、1人でも多くの若い人たち、幼い人たちに読んでもらいたい。 そしていつの日か機会があれば、オークランドの零戦も見てもらいたい。 それは、文字通り必死に戦い生きた日本人の記録であり、戦争の愚かしさを知らしめる戒めでもある。
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