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壮絶な姉妹丼を繰り広げる『艶母』後編
息子との関係が出来てしまった義母の完全なる陥落と、義母の妹(叔母)の登場で混迷を極める息子の取り合い奪い合い劇場の開幕である。本巻冒頭より登場する叔母に目を付けた息子が早速義母との痴態を見せつけて叔母を籠絡する。自分より若くて綺麗な叔母の登場を最も懸念していた義母にとって最悪に近...
息子との関係が出来てしまった義母の完全なる陥落と、義母の妹(叔母)の登場で混迷を極める息子の取り合い奪い合い劇場の開幕である。本巻冒頭より登場する叔母に目を付けた息子が早速義母との痴態を見せつけて叔母を籠絡する。自分より若くて綺麗な叔母の登場を最も懸念していた義母にとって最悪に近い形で物語が進行していき、叔母に傾倒していく息子に悲しみ、奪った叔母に嫉妬の炎を燃やしまくりで悶え苦しむ義母がしっかりと描かれているのだが、その情念たるや凄まじいもので、なりふり構わず哀願と懇願を繰り返す義母の姿と情交の艶めかしさにそそられる。そして、心を奪われた叔母も負けず励みに励むため、そのいやらしさはダブルの破壊力となる。最後に義母の元に戻って来た息子に心からの安堵の気持ちを抱くのだが、ここにきて叔母のリーサル・ウェポン級の最後の切り札が登場してどんでん返しを迎える。また、2編の短編を挿んで巻末に掲載された、たった2頁の【終章】がさらなる悲劇的なラストを迎え、義母の決定的に破壊的な末路を暗示させる結末である。悩ましく艶めかしい愛欲の想いをここまで徹底的に描き出した稀有な作品と言えよう。 短編では、貞淑に見えた人妻が淫らな本性を抱えていたという【艶衣】が秀逸。神社の境内で3人の男を相手にする人妻のいやらしさが全開である。ただ、熟女が大事にされる昨今とは異なる頃の名残りか、男達から蔑まれ罵倒されながらも貪欲に求め続ける人妻の姿に少し憐れみを感じる。
DSK