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凌辱から相姦まで幅広い作品が同居した1冊
全10編の短編集。一応、青年コミックの扱いだが、内容的には全く以て成年コミックと同等である。一番最後に配された表題作が、友人の母を貶めていく少年という、最も作者らしさのある話で、玄関先で責められながら、次々に帰宅してくる息子や夫を追い払う母の姿が淫猥そのものである。 どちら...
全10編の短編集。一応、青年コミックの扱いだが、内容的には全く以て成年コミックと同等である。一番最後に配された表題作が、友人の母を貶めていく少年という、最も作者らしさのある話で、玄関先で責められながら、次々に帰宅してくる息子や夫を追い払う母の姿が淫猥そのものである。 どちらかと言うと、甘さも醸す誘惑系が前半に、無慈悲な凌辱系が後半に収録されている感じ。ストーリーが良く出来ており、奥深い愛情を交わしたり、逆にちょっぴり切なかったりしていたら、薄暗い感情とともに女を見下すような主人公が出てきたりと、1冊の中でかなり振り幅が大きい。凌辱と言っても、抵抗するのを無理矢理剥いていくようなものではなく、男女の心情がマッチしていない中で、悶々とした想いをぶつける形だったり、腹いせ的に他の男をあてがったりするものである。ただし、誘惑系であってもスカッとした明るさではなく、どこか退廃的でどんより曇っているようなテイストが混じるのは飛龍作品ならではといったところか。 作画については進歩の過程というか過渡期というか、デフォルメキャラチックでアニメ的だった画風から、色気のあるお姉さんへと変わりつつあることが窺えるものである。とりわけ相姦をテーマにしつつあることから画風も変わってきたのであろう。バリエーションも豊富な汁々の描写はかなり煽情的ではあるのだが、もう少し頁を費やしてほしいとも思う。
DSK