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発展途上な作画なれど愛情深い甘々路線が心地良いデビュー作
愛情豊かな甘々路線を信条とする作者のデビュー作。深みのある設定にちょっとだけ切ないスパイスを時折効かせつつ前向きでハッピーな結末を迎えるストーリー展開は本作からしっかり健在なので、これが以降にも続く作者お得意の「決めパターン」ということが伺い知れる。しかも、登場人物が単なる恋人同...
愛情豊かな甘々路線を信条とする作者のデビュー作。深みのある設定にちょっとだけ切ないスパイスを時折効かせつつ前向きでハッピーな結末を迎えるストーリー展開は本作からしっかり健在なので、これが以降にも続く作者お得意の「決めパターン」ということが伺い知れる。しかも、登場人物が単なる恋人同士や学生の男女に留まらないところが特異で、息子の将来を鑑みつつ今以上の暮らしを求めて転職を考える若き夫などは、このテの純情路線ではなかなかお目にかかれない人物像だと思う。ただ、こうした愛情を前面に出した作風により、どうしても情交がソフトになるのは否めない中で、ただ1編収録の凌辱展開が異彩を放っている。したたかなナースが貪り始めて形勢逆転するオチで軽妙に纏めてはいるものの、友人を見舞いに来た悪友3人組が見初めたナースを大胆に襲って代わる代わる交わるまでは、被虐的なナースの悩ましい様が実にいやらしく、これだけが肉欲のみを求める愛の無い作品である。他の作品群とテイストが異なることで毛嫌いする向きもあるかと思うが、この作品が本作全体の官能度と興奮度を底上げしているのは事実である。 作画についてはまさに発展途上と言えるもので、作品毎に多少の違いはあるものの違和感を抱くほどの差異でもなく、もとよりハイレベルなので特に問題は無い。表紙より若干幼いというか可愛い女の子が出てくる感じで、作を重ねるに連れて綺麗なお姉さん的色気が醸し出されてくる。ヒロインが生徒から先生といった大人に移行していくうちに自然と変化していったのかもしれない。骨太な画風が官能描写に貢献している。
DSK