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2009/07/13

作者らしい題材とテーマも短編ゆえの消化不良が惜しい

本作には【人妻編】とサブタイトルがあり、同時発売の【若き女編】と併せて【shuuichi sakabe best selection】と銘打たれた短編集である。全4話の連作短編に4編の短編という構成。 カラオケ店に勤める主人公の目を通して、客としてやって来る様々な人妻の乱...

本作には【人妻編】とサブタイトルがあり、同時発売の【若き女編】と併せて【shuuichi sakabe best selection】と銘打たれた短編集である。全4話の連作短編に4編の短編という構成。 カラオケ店に勤める主人公の目を通して、客としてやって来る様々な人妻の乱れを描く【今妻白書(全4話)】での少し斜に構えた社会風刺や、かつて関係した男が夫の取引先の相手だった【甘い毒】の「狙われるヒロイン」的展開には作者らしさがあって悪くないのだが、短編ゆえの消化不良気味な結末が残念である。【タブー ~女の住処~】は展開こそ唐突だが、限られた頁に複数回の情交を盛り込んだことは好材料。愛されないセレブが自墜落な肉欲に溺れる【愛の孤独】がほぼ唯一希望のある結末だが、見知らぬ男達との刹那の情交に耽る人妻が立ち直るにしては(良い話だが)なんか弱いなぁ、と思ってしまうのが惜しい。【逃げられない女】に至っては情交シーンの無いサスペンス仕立てなので、読み手からすると「ラーメンを注文したのにうどんが出てきた」ようなズレた作品と言わざるを得ない。 全体を通して作者らしい淫猥や退廃を感じるものの、どの作品もどこかが少しずつ足りないような違うようなもどかしさがあってスカッとしないのが悩ましい作品である。相応にいやらしいんだけどね。

DSK

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