クッキング・ママの依頼人 集英社文庫

ダイアン・デヴィッドソン(著者), 加藤洋子(訳者)

• 販売会社／発売会社: 集英社/
• 発売年月日: 1998/12/14
• JAN: 9784087603538

商品レビュー

2010/05/28

実の父の身を心配した…

[文庫ＯＦＦ]

実の父の身を心配した息子はゴルディに真犯人を捜して、濡れ衣をはらしてほしいと頼む。さんざん前夫の暴力に脅えてきたママとしては、なかなか腰があがらないのだが…。大好評の料理ミステリー、円熟の第7作目。

2020/01/16

ダイアン・デヴィッドソンの大人気「クッキング・ママシリーズ」の第７作目。

主人公はゴルディロックス・ケータリングを経営する、ケータラーのゴルディ。

再婚した刑事の夫と、一人息子のアーチ、居候のマグワイヤと暮らしています。

今回は元夫で産婦人科医のジョン・リチャードが、恋人の殺害容疑で逮捕されてしまいます。

アーチは、父親を助けてほしいとゴルディに調査を懇願しますが、暴力を振るわれた過去のある元夫の逮捕に複雑な思いがあるゴルディは、なかなか積極的になれません。

そんな母親を見て、失望したアーチは心を閉ざします。

一方事件のほうは、権力関係など複雑な要素が絡み、疑惑が疑惑を呼ぶ展開に。

ケータリングの仕事でも、気むずかしいバブジーマダムたちに振り回されたりと、てんてこまいです。

そんな中でゴルディは事件を解明し、息子の信頼を取り戻せるのでしょうか。

今回は、特にアーチの言動にちょっとモヤモヤしました。

母親を傷つけてきた父親に対して、ちょっと肩入れしすぎている気がします。

実際に傷ついた母親を見ても、あまり同情しませんし、なんか不自然だなと。

このお話ではアーチも14歳になっていて、少しは父親の異常性に気づいて母親を守る姿勢を見せてもおかしくないと思うのですが。

ミステリ部分については、謎のカギとなる部分がちょっとだけ雑に感じられました。

舞台設定や人間模様自体は、複雑で面白かったのですが。。。。

モヤモヤの多いお話でしたが、今回もゴルディのお料理シーンは本当に魅力的でした。

プロのケータラーということで、手際もいいので、読んでいて実に気持ちがいいです。

◇おすすめポイント
　・陰謀渦巻く設定が読み応えあり
　・人間関係の暗い部分の描き方
　・主人公ゴルディの飯テロ料理シーン

◇こんな方におすすめ！
　・料理番組やレシピを読むのが好き
　・陰謀など、複雑な人間関係の物語を読みたい
　・ケータラーの仕事について知りたい

2015/03/31

今回は表題の「依頼人」が生きている。
ゴルディの元夫に殺人の容疑がかけられ、
息子アーチが容疑をはらすよう依頼する。
仕方なく引き受けるゴルディ。

健康保険組合で起こった殺人事件ではありながら、
どちらかというと、
バービー人形ならぬバブジー人形に取りつかれた女性たちの方が主役な気もする。
とくに、人形泥棒と思われた男性に襲いかかるあたり。

間借り人でケータリングの助手マグワイヤがハーブで癒されたり、
前回投資の対象にされかかったサムズ・スープがつぶれてたり、
でも健康食品の店は持ちこたえていたり、
マーラはパワフルに噂をかき集めているしと、
アスペン・メドウがなんか実在しているような気さえしてきた。

結局、元夫は刑務所に行くことになった模様。
次作はどうなることやら。