婚約者を奪われた伯爵令嬢、そろそろ好きに生きてみようと思います の商品レビュー

矢野りと(著者)

2025/01/15

　家族にスポイルされている少女に読ませたい本。

　姉ばかり贔屓する両親に理不尽な事を言いつけられてもNOと言えなかった主人公。エリックと出会い、自分の家族は異常だと気づき、自分の意見を主張できるほどに成長、独立していく。

　そう、家族なんて、高校出てしまえば、口を挟んできたって、振り回されるばかりじゃなくなる。私はこうしたいから、と主張して自分の人生を自分で選択することだって、可能なんだから。親の言うままの生き方をする必要はないのだ。
　親の意見が正しいこともある。だが、先人の知恵としての価値だけだ。自分の幸せと親の思う幸せには、ズレがある。

　と、熱く語ってしまったが、今の子たちは、自分で自分の人生を選びとる自由を持っているが、自由には責任も伴うことも忘れないで欲しい。

　物語は、うん、もう一回読むか悩むところ。高校生の女の子にあげてしまいたい。