あの夏のクライフ同盟 の商品レビュー
Amazonの紹介より しっかり者だがどこか流されがちなぺぺ、気弱なオカルト好きのツヨシ、運動神経抜群で人気者のサトル、ムードメーカーのエロ番長・ゴロー。北九州に住む中学生4人組は、いつでも一緒のサッカー仲間だ。そんな彼らのもとに歓喜と絶望のニュースがやって来た。大ファンで、雑誌...
Amazonの紹介より しっかり者だがどこか流されがちなぺぺ、気弱なオカルト好きのツヨシ、運動神経抜群で人気者のサトル、ムードメーカーのエロ番長・ゴロー。北九州に住む中学生4人組は、いつでも一緒のサッカー仲間だ。そんな彼らのもとに歓喜と絶望のニュースがやって来た。大ファンで、雑誌で見かけてはサッカーの「神」と崇めてきたヨハン・クライフ。彼がオランダ代表で出場するW杯が日本初の生中継されるが、九州は放送地域外だという。馬鹿馬鹿しくも時に切ない日々を過ごしながら、4人は“クライフ同盟”の名の下に秘密の計画を進めていく。大型台風が接近する中、放送を見届けることはできるのか? 中学校の青春がいっぱい詰まっていて楽しめました。今にはない不便さが、一層思い出深く、心に刺さるかと思いました。特に50代以上の方にとっては、思い出が甦ってき て、懐かしむのではないかと思いました。 時は1974年。場所は北九州。この頃は、新幹線も通っておらず、まもなく広島まで延伸する状況。 さらにW杯は、この頃日本は出場しておらず、放送もされていませんでした。 携帯もなく、情報を得るのは新聞や雑誌。 今にして思うと、不便だらけの時代ですが、その分、人とのコミュニケーションが濃い印象があって、これはこれで羨ましくもありました。 とにかく色んなものがエモく感じました。 自転車で旅する時は地図帳を使用したり、電車で移動するのではなく、ある事情から自転車を使ったり、中学生から見たエロ雑誌の印象が面白かったりと子供の頃の懐かしさがこみ上げてきました。 中学生4人の団結力や馬鹿馬鹿しさが、物語に良いアクセントとして際立っていて、終始、青春を感じさせてくれました。 今では、有料放送やサブスク、動画サイトなどネットがあれば何でも見れますが、昔は限定的で、ラジオだったら雑音、テレビだと現地まで行かないと見れないという原始的なことが主流でした。 現在でも、地方でしか放送されないこともありますが、W杯を含め、スポーツ全般はBSや有料放送で賄うことができます。 昔でしか味わえないものが、この作品には多く散りばめられていて、昔を体験できた作品でした。 一番印象深かったのでは、やはり自転車旅でした。W杯の決勝戦を見たいが、日本では放送されず。しかし、その後日本で実現するのですが、東京を含め、わずかの地域しか放送されないことが決定。北九州にいる彼ら達は、放送されるエリアにとある人の所へ自転車で行きます。 地図帳を片手に、長時間の行動に幾多のアクシデントがある描写が、何とも青春を感じさせてくれます。 50年前を振り返るという形で、その後の彼らも描かれているのですが、あの思い出があったからこそ、今に通じるものもあって、感慨深くも感じました。
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もう読み終わり感動のしっぱなしでした。まずは私の青春時代と同じ設定で本当に楽しませてもらいました。著者の増山さんが同い年と言う事もあるかも知れません。私は、桜田淳子、中二時代派です。雑誌GARO、平凡パンチ、洋書プレイボーイ懐かしさオンパレードでした。そしてクライフ同盟の自転車ロード旅は映画「スタンドバイミー」を彷彿させる感動ものでした。1974年のワールドカップの緻密さクライフについて、初めて知ることばかりでした。あなたも読んで感動して下さい楽しんで下さい。
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