考えるという感覚/思考の意味 の商品レビュー
考えることの重大性を様々な角度から検討している。前2作とも関連するが必須ではない。 問題意識の一つに人工知能の万能性への懐疑がある。人間性、生きることを取り戻す試みだ。思考とチューリングマシン(あたかも思考しているように思える)は位相が違う。 また、より大きな文脈としては、社...
考えることの重大性を様々な角度から検討している。前2作とも関連するが必須ではない。 問題意識の一つに人工知能の万能性への懐疑がある。人間性、生きることを取り戻す試みだ。思考とチューリングマシン(あたかも思考しているように思える)は位相が違う。 また、より大きな文脈としては、社会構築主義と科学至上主義への反駁がある。わかりやすく言うと、この世は有意味であると言う主張だ。 プラトン、アリストテレス、カント、ウィトゲンシュタイン、フーコー、ボードリヤール、サール、ブランダム、クワインなどが縦横に引用される。本書で最も重要なのはフッサールだろう。また、SF的な映画、小説の引用も豊富だ。 リルケの詩の紹介は中でも最も印象的な部分だった。また、ゲーテのファウスト博士の嘆きを理解できたのも大きかった。p340
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