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西洋文学にみる魔術の系譜 の商品レビュー

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2025/02/02

第一部: 古代・中世・ルネサンス期の文学と魔術 概要 本書では、古代から中世、ルネサンス期にかけての文学と魔術の関係が広範に考察されている。特に、イタリア・ルネサンスを中心とした新プラトン主義やヘルメス主義の影響が強調され、魔術の思想や歴史が文学にどのように反映されているのかが...

第一部: 古代・中世・ルネサンス期の文学と魔術 概要 本書では、古代から中世、ルネサンス期にかけての文学と魔術の関係が広範に考察されている。特に、イタリア・ルネサンスを中心とした新プラトン主義やヘルメス主義の影響が強調され、魔術の思想や歴史が文学にどのように反映されているのかが探求されている。 主要な論考 1. フィチーノとプラトン的伝統 フィチーノの影響を受けた作品群が、新プラトン主義とどのように関連し、ピーコ・デッラ・ミランドラやダ・ヴィンチ、ケプラーといった思想家に与えた影響を考察する。 2. 中世北欧のルーン魔術 ルーン文字が持つ魔術的な意味を、古代ゲルマン社会の石碑やエッダ詩を通じて明らかにし、ルーンの魔術が中世アイスランドの文学においてどのように機能していたかを探る。 3. 中世ロマンスにおける魔術 フランスの中世ロマンスにおける魔術的要素、特に「思いもよらぬこと」の概念がどのように描かれているのか、文学における魔術の役割を考察する。 第二部: 近代の魔術とオカルティズム 概要 近代における魔術の概念がどのように変遷し、特にフリーメイソンや神智学との関わりが詳述されている。近代の魔術が持つ社会的背景や文化的影響についての分析がなされている。 主要な論考 1. フリーメイソンと近代魔術 フリーメイソンが近代魔術に与えた影響、特に儀礼の側面がどのように魔術的実践に関連しているかを探究する。 2. 神智学とオカルティズム 神智学協会の成立過程、及びその教義が近代の魔術に与えた影響について詳しく述べられており、特にユングとオカルティズムの関係が分析されている。 結論 本書は、古代から現代にかけての魔術と文学の相互作用を多角的に考察し、魔術がどのように社会や文化に浸透し、また影響を及ぼしてきたのかを明らかにしている。文学の中の魔術の表現や、社会的な文脈の中での魔術の位置づけについての理解を深めるための重要な資料となっている。

Posted byブクログ

2025/01/27

非論理的・非科学的として我々が排した「魔術」を知の歴史として捉え直す。一読して理解する事は難しく再読又は参考書の併読が必要だなと感じた。だが取り上げる内容はどれも非常に興味深く、ファンタジーやオカルトへの理解が深まる良書である事は確かだ。

Posted byブクログ