会社はあなたを育ててくれない の商品レビュー

古屋星斗(著者)

2025/02/24

メンバーマネジメントにおける、年代間および職位間における、意識の差が言語化されているように感じました。
キャリア形成に迷うメンバーへのマネジメントや、組織の行き詰まりへのヒントになる一冊。

以下、ネタバレ
・「ありのまま」と「なにものか」
引き裂かれているメンバーが目に浮かんだ。

・willが先か、スモールステップ=小さな行動が先か
↑will
探索者　動機ある実行者
モヤモヤとした不安　漠とした夢みがちな人
→スモールステップ

モヤモヤ、夢みがち、探索者、動機ある実行者の顔がそれぞれ浮かんだ。

・キャリアにおける寄り道と近道
キャリア自律による近道だけでは、独自性のないキャリアになりそう。
合理性を越えた機会獲得による寄り道により、掛け合わせのキャリアが見つかる。
寄り道を自分なりに意味づけることで、再現性が生まれる。

・エンゲージメント(楽しさ)とパフォーマンス(成果)
↑エンゲージメント
環境不適合　幸せ者
仙人　プロフェッショナル
→パフォーマンス
自組織はプロフェッショナルに寄っている。エンゲージメントを求めるメンバーを掬い上げられていない。

2025/02/20

うーーーん、社会と時代の転換期にいる今の若者の生き方について詳しく書いた本。とても詳しく書いてあるので、勉強になる。研究結果もついている。

2025/02/12

昔は、今では考えられない育て方、仕事の方法をしていた。今ではできない。その代わり、我慢していれば会社が育ててくれた。仕事は修羅場で、深夜まで同じ釜の飯を食う間柄、で育てられたが、今はない。配置ガチャや理不尽な移動命令もない。
自分が仕事を選べる＝選ばなければ成長できない。
会社のせいにできない環境が、不安や焦りを生む。

選択の回数が増えた＝昔は入社のとき一回だけ。
ゆるい職場の登場＝黙っていても鍛えられる職場がない。

新卒一括採用は1907年安田保善社という会社から。明治時代。
就職氷河期以降、政府が口を出すようになった。若者自立挑戦プラン、若年雇用促進法、働き方改革関連用など。＝労働環境を改善しようとする動き。
反動で、ゆるい職場で不安になる。労働環境は改善しているが、成長できない職場になった＝部下を叱れない職場。時間の余白が増えたが、その時間を使って何をするか、が本人の問題になった。
中途採用の増加＝人を育てられない現場の要求。
誰が自分を育てるのか。

選択の回数の増加
部署の選択、副業・兼業の選択、転職の選択など。
会社任せではキャリアはできない。
自分らしく、キャリアの確立、遠回りをしたくない、無駄な仕事をしたくない、などの複数の欲求を自分が選択して満たす必要がある。

特性因子理論、GATBなど。向いている仕事はなにか。
ライフキャリアレインボー。同時に複数の役割を持つ。
キャリアアンカー＝自分にとって譲れない役割。
４S＝人生の転機を活用するために、自分の活用可能なリソースを考える。
プロテアンキャリア＝キャリアの成功は、心理的な成功である。
キャリアドリフト＝節目で意味付けする。その間は流されてもいい。キャリアデザインは節目節目で行う。その間はドリフトしていると新しい機会が見えてくる。個人の合理性の限界がある＝目標を明確にしても合理性の誤謬が起こる。最短距離でなくても無駄ではない。
山登り筏下り理論＝筏を下るようにいろいろな業務二取り組み、途中で目標を定めて山登りをする。
計画的偶発性理論＝予期せぬ出来事がもたらすチャンスを逃さない。
サステナブルキャリア＝キャリアは過去を意味づけることで価値が変わる。
越境学習論＝他の領域も越境して学習しつつ、能力を高める。

普通に過ごしていると、キャリアに関する行動をしなくなる＝選択肢が増えた現代ではリスク。
大きな行動変容は簡単ではない＝副業の希望者は多いが、実際にやっている人は少ない。

キャリア自律的な人事制度（ジョブ型採用、職種別作用、城址選択制、など）の弱点は、本人が考える合理的な選択以外の機会がなくなること。偶発性が起きにくい。
仕事は興味はなくても、結果は出す。熱意は仕事には必要ない。仕事を楽しむことは大事だが、必ずしも必要ではない。寄り道も楽しむ。

アルムナイ採用＝社外を見てきたほうが自社が好きになる。

2025/01/27

キャッチーなタイトルとは裏腹に勇気をもらえる本だった。会社依存と自己責任の、その間を取るような考え方を知れた。

2025/01/16

◾️目的
若手社員のマネジメントのため。

◾️本質
働き手：小さな行動の積み上げで未来を広げる
会社：様々な形で働き手と繋がれる仕組みを。

◾️感想
論点としてはよくあるもので、各種メディアで語られているものと同じだった。会社がホワイト化する中で、盲目に一社でキャリアを育て切ることができない今、小さなアクションの積み重ね（誰かに轢かれたレールではなく）が大切だと認識した。
会社も会社で正社員だけに頼らない姿勢も求められる。

◾️ポイント

2025/01/13

・情報があふれる社会において
　「自分は自分だ」と焦らずにいることは、
　どれほど難しいことでしょう。
・「ありのまま」と「なにものか」の
　グラデーション
・情報も必要だが「行動」の重要性
・今、小さな行動ができているか
・言い訳から始めて、
　実施したスモールステップを意味づける
・外を見るほど、自社が好きになる
・一筆書きで描けないことが、
　ライフキャリアにとって大切

「近道」と「寄り道」のバランス、意識していこう。

2025/01/05

自分が日々薄々感じていたことが言語化されていた。情報ばかり仕入れがちだったので、もっと行動するようにしたいと思った。あと、寄り道のような偶発性を取り入れることも大切なのだなと思った。

2025/01/02

良書だった。これまでは会社の仕事を頑張っていれば安定したキャリアが手に入っていたが、いまは働き方改革によってスキルを得るために必要な1万時間に達するまでの時間がかかるようになってしまい、さらに一つの会社だけに依存するのはリスクもある時代になった。
そのような状況でどうやって安定を得るか、そのためのアプローチを提案してくれる本。

特に、自律したキャリアプランにだけ沿っていくと寄り道がなく、本人の合理を越えた発展に繋がりにくいという点が面白かった（プレイヤーとして早くから認められ若いうちにマネージャーになった人の中で早々に頭打ちになるひとがいる現象に近い）

2024/12/26

昭和世代の僕から見ると
仕事を頑張らない若者に見えるが
頑張らないのではなく、頑張れない側面がある、
という分析です。
それは日本社会の働き方改革を含めた
構造的問題であると指摘。
非常に興味深く読みました。
一点、各アンケート調査の詳細が巻末記載となり
サンプル何人でどこが調査したのか、
照らし合わせるのが難儀でした。
アンケート内容に関しても
その設問だったら、こう答えるよね、
という変数を加味した方がよいかも、
と思いました。
次回作に期待します。