1,800円以上の注文で送料無料

いのちの波止場 の商品レビュー

4.2

9件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2025/02/05

物語の舞台は能登にある緩和ケア病棟。 人生の最後をここで迎える患者たちに、最大限苦痛を取り省き最期まで安らかでいられるように懸命に働く医師や看護師たち。 命が終わる瞬間までの様子が、とてもリアルで読み応えがありました。 病気を治すことを目的としない医療には 患者さんの人生と同じ数...

物語の舞台は能登にある緩和ケア病棟。 人生の最後をここで迎える患者たちに、最大限苦痛を取り省き最期まで安らかでいられるように懸命に働く医師や看護師たち。 命が終わる瞬間までの様子が、とてもリアルで読み応えがありました。 病気を治すことを目的としない医療には 患者さんの人生と同じ数だけの正解があって、医療者も家族も最期まで迷っている。 自分はどう生きるのかと同じように、どう死んでいきたいのかも考えておかなくてはと思った。

Posted byブクログ

2025/01/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

連作短篇5篇 緩和ケア病棟のいろんなケースとその対応、家族の気持ちではなく患者自身の気持ちに寄り添う事など当たり前のことが難しいと気付かされた。最後、仙川先生自身の患者としての在り方、とてもお見事でした。

Posted byブクログ

2025/01/20

今作の舞台は能登の穴水町。 穴水といえば牡蠣祭りが有名。何度か行ったが本当に美味しくて安い。 緩和病棟だから全ての話は死で結ばれる。ちょっとしんどい。でも末期癌のイメージが痛くて辛くてというものから少しでも痛みをコントロールして最後まで人間らしく患者の希望に寄り添った看護計画がた...

今作の舞台は能登の穴水町。 穴水といえば牡蠣祭りが有名。何度か行ったが本当に美味しくて安い。 緩和病棟だから全ての話は死で結ばれる。ちょっとしんどい。でも末期癌のイメージが痛くて辛くてというものから少しでも痛みをコントロールして最後まで人間らしく患者の希望に寄り添った看護計画がたてられることに希望が持てた。 能登が一日でも早く復興することを祈ります。

Posted byブクログ

2025/01/04

金沢のまほろば診療所から穴水の緩和ケア病棟に研修に来たのは看護師星野麻世。鎮痛剤を使いたくないと言う患者、機械を埋め込んだ患者、認知症の蕎麦屋店主、親の面会NGの患者。 自分が死にかけたらこういう所に入院したい。読む側が患者側からも医療側からも死を真摯にリアルに考える機会をくれ...

金沢のまほろば診療所から穴水の緩和ケア病棟に研修に来たのは看護師星野麻世。鎮痛剤を使いたくないと言う患者、機械を埋め込んだ患者、認知症の蕎麦屋店主、親の面会NGの患者。 自分が死にかけたらこういう所に入院したい。読む側が患者側からも医療側からも死を真摯にリアルに考える機会をくれた。

Posted byブクログ

2025/01/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

慕っていた仙川先生の近くにいることになった看護師の麻世ちゃんの能登の緩和病棟での葛藤 [人間、年を取ったり病気になったりすれば、できないことが次々に増えてくる。そんなできない自分を受け入れるには、心の中成長が必要かだからね」 不完全な自分を受け入れて、さらにそれも人生の味わいとして楽しむ… 一筋縄ではいかない緩和病棟の大変さ。患者とその家族、担当医師との間を取り持つ看護師の負担も伝わってくる 仙川先生は最後にカンファレンスに参加して自分の死に方、死場所、見守ってくれる信頼のおける看護師まで近くにつけて見事な最期だ

Posted byブクログ

2024/12/25

心暖まる物語りだった。緩和ケア病棟それは終末医療に携わるドクターや看護士さん達の並々ならぬ日常のご苦労は大変なものだろうと思います!そして患者さんの親族へのご理解を得る努力には頭が下がります。患者の苦痛を如何にして取り除くかの決断は大変なものがある!良い本に出会えて良かったです。

Posted byブクログ

2024/12/24

自分にとって「幸せな死に方」ってどんなだろう? 緩和ケアについて書かれた小説を読んで、そんなことを考えてみるのも良いのではないでしょうか まぁ、多くの人の意見にぽっくり行きたいってのがあるよね 俗に言うペンペンオシリじゃなかったピンピンコロリってやつよね 「病気に苦しまずに...

自分にとって「幸せな死に方」ってどんなだろう? 緩和ケアについて書かれた小説を読んで、そんなことを考えてみるのも良いのではないでしょうか まぁ、多くの人の意見にぽっくり行きたいってのがあるよね 俗に言うペンペンオシリじゃなかったピンピンコロリってやつよね 「病気に苦しまずに元気に長生きしてコロリと死ぬこと」だそうです まぁ、子どもたちに迷惑かからんから良いだろうなぁとは思うけど、家族に見守られながら静かに目を閉じるみたいな、ドラマのワンシーンみたいなんも捨てがたいよね 高原の病院でね 最悪なのはやっぱり痛いやつよね 最後の瞬間まで痛みに悶えながら死ぬやつよね それは絶対嫌よね そこで緩和ケアですよ、奥さん! ありがたい もし自分がそんなことなったら絶対ありがたいって思うよ だってむっちゃ痛みに弱いもの ヨワヨワ大臣だもん(何担当やねん) そしてできれば心配の種が残らない状態で死んで行きたいな〜 そうなるとやっぱ相当頑張んないとな 死ぬのもなかなか大変やでこりゃ

Posted byブクログ

2024/12/23

人生最期の日々、穏やかな能登の内海眺めて逝ければ…と牡蠣小屋での一杯思い返しながらも、そんな単純な話でもないと。地震からの復興を治療に例えたのはストンと腑に落ちた。キリコの祭りの季節にまた訪れたくなった。緩和ケアの本質「治すことー時々、和らげることーしばしば、慰めることーいつも」...

人生最期の日々、穏やかな能登の内海眺めて逝ければ…と牡蠣小屋での一杯思い返しながらも、そんな単純な話でもないと。地震からの復興を治療に例えたのはストンと腑に落ちた。キリコの祭りの季節にまた訪れたくなった。緩和ケアの本質「治すことー時々、和らげることーしばしば、慰めることーいつも」看護師も医師も大変。せめてワガママな患者にならないように「何があっても機嫌よく生きる」「死ぬまで成長」「これも人生の味わいだと現状を楽しむ」こと肝に銘じて。

Posted byブクログ

2024/12/17

『いのちの停車場』から続く3作目。 余命わずかな人たちの役に立ちたいと看護師の麻世が、能登半島の穴水にある能登さとうみ病院の看護実習で「ターミナルケア」を学ぶことになる。 第一章 キリシマツツジの赤 大腸癌が肺にも転移している患者さんが、かなりの痛みがあるにも関わらずモルヒネ...

『いのちの停車場』から続く3作目。 余命わずかな人たちの役に立ちたいと看護師の麻世が、能登半島の穴水にある能登さとうみ病院の看護実習で「ターミナルケア」を学ぶことになる。 第一章 キリシマツツジの赤 大腸癌が肺にも転移している患者さんが、かなりの痛みがあるにも関わらずモルヒネを拒否する理由とは…。 第二章 海女のお日様 子宮体癌の患者がICDをどうするか…家族の判断は…。 第三章 親父のつゆ 末期の前立腺癌と重度の認知症を患っていても家族は、胃瘻をしても生きてほしいと願う理由は。 第四章 キリコの別れ 末期の肺癌患者が、親族は両親も含めて拒否な理由とは。 第五章 内浦の凪 仙川先生が、膵臓癌のため穴水町で終末期を過ごしていたことを知る。 最後まで楽しそうなのは?と麻世が聞くと仙川先生は〜 「機嫌よく生きる、と決心」 「あとは、死ぬまで成長、かな」 「人間、年を取ったり病気になったりすれば、できないことが次々に増えてくる。 できない自分を受け入れるには、心の成長が必要だからね。」 「最後にね、『これも人生の味わいだ』と現状を楽しむこと」 とても心に沁みる言葉だ。 きついとき、苦しいとき、こわいときに人は楽しくなんてできないけれど、考え方を変えるだけで残りの時間が楽しくもなる。 終末期の患者や家族と接することで、病を治すことはできないけれど最後まで患者に寄り添い、心の苦痛を取り除くことを覚えた半年間。 最後は、お世話になった先生にもたくさんのことを教わったと思う。

Posted byブクログ